新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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ウェイトだけでは不十分!爆発的なパワーを生み出すトレーニングとは?

ゴルフ筋トレ

「パワー」と「力」は区別するべし

「ゴルフに筋トレは必要ない」とよく言われますが、こう主張する人はおそらく、パワーと力の区別ができていないのではないでしょうか。

ここに、球を打つ(当てる)技術が全く同じである、筋骨隆々の男性とゴルフ上級者の女性がいたと仮定します。

普通に考えれば、球を打つ技術が同じであれば、力の強い男性の方が球を遠くに飛ばせるはずですが、一概にそうとも言えません。

なぜなら、力は男性の方が強いが、パワーでは女性の方が勝っている可能性があるためです。

力とパワーはイコールの関係ではありません。実は、力の使い方(技術)によって、パワーを向上させることができるのです。

パワーとは何か

「パワー」を一言で言うと、それは「仕事率」です。

仕事率とは、力を加えて動かした距離(正確には変位)を時間で割ったもので、計算式は「パワー(仕事率)=力×変位÷時間」で表されます。(力×変位を仕事と言います)

この式からわかるように、時間が短くなるほどパワーは向上しますので、先の例で言えば、力が劣る女性であっても、短時間で効率の良い運動をすれば、筋骨隆々の男性に飛距離で勝つことも不可能ではありません。当てる技術が同じであったとしてもです。

ヒトはウェイトトレーニングによって、力を向上させることができます。しかし、それだけでは片手落ちです。

短時間で仕事をこなす効率化のためのトレーニングも必要なのです。

※ 「力学的なパワー」に関しては、河森直紀氏のこちらの記事(AthleteBody)が最もわかりやすいと思います。

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パワーを向上させるトレーニング

ゴルフスイングにおいて、パワーを向上させるために最も効果的だと思われるのが、切り返しで反動(SSC:伸張-短縮サイクル)を使うことです。

反動を使うということは、SSCを使うということ。つまりSSCを強調したトレーニングを実践すれば、パワーアップを図ることができることになります。

ウェイトトレーニングで筋肉(力)を付けたら、それを活かすための技術的なトレーニングも欠かさないようにしましょう。

プライオメトリック

プライオメトリックとは、筋肉と腱を伸展させ、短縮させる動き(=SSC)を強調したトレーニングです。プライオは増大、メトリックは長さという意味です。

腕立て伏せで、沈み込んで反動をつけ、一気に挙上して空中で手を叩く運動を皆さん一度は目にしたことがあると思いますが、これはプライオメトリックトレーニングに分類されます。

また、メディシンボールを投げてトレーニングするプロゴルファーの動画を見たことありませんでしょうか?

そう、これもプライオメトリックトレーニングの一つなのです。単純に重いものを投げて筋力をつけるトレーニングをしているわけではなく、反動を使うトレーニングをしているのです。

Medicine Ball Rotational Golf Power Exercises

上の動画の方法だと、壁から跳ね返ってくるボールの反動を利用できるため、より高いトレーニング効果が望めそうです。

ただ、実践する場合は、ボールの重量に十分気を配る必要があるでしょう。調子に乗って重いボールをいきなり使ってしまうと、簡単にケガしそうです。

バリスティック

力の立ち上がり速度を高める(時間を短くする)ことが、このトレーニングの主な目的となります。そのため、使用重量は通常の筋トレに比べ軽いものになります。

※ 力を素早く立ち上げる能力:RFD(Rate of Force Development)

ただ、注意すべきなのが、このトレーニングは、SSCを強調するものではなく、筋肉を爆発的に使うことが目的であるという点です。

ですので、レスリングのタックルのように、反動を使ってしまうと相手に動きを読まれてしまうような状況下で、爆発的にパワーを発揮したい時などに、このトレーニングが役に立ちます。

ゴルフスイングでRFDを高めるには、筋肉を爆発的に使うと言うより、切り返しで得た筋肉の「張り」を維持したままダウンスイングに移行することの方が重要ではないでしょうか。SSCによって筋肉の「たるみ」が取り除かれるよう意識することが大切です。

クイックリフト

アスリートが重量挙げのような格好で、素早くバーベルを持ち上げるトレーニングを一度は目にしたことがあると思います。

このトレーニングによって、爆発的な筋力発揮能力が向上するだけではなく、下肢からの力の連動性やSSC効率の向上にも期待できます。

クイックリフトを見たことがある方は、もしかすると「もう少し重い重量でやればいいのに」と思ったかもしれませんが、目的が爆発的なパワーの発揮にあると分かれば納得できるでしょう。

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まとめ

ここまでご紹介してきたパワー向上のためのトレーニング、もちろん筋力の向上も望めますが、どちらかと言えば体を使う「技術」を習得するためのトレーニングに分類されます。

トレーニングの原則に、「意識性・特異性の原則」というものがありますが、本来のトレーニングが有する目的とそれを実践するトレーニーの意識が異なっていれば、当然そのトレーニングにおける効果は減退することになり、自分が望むレベルの効果を得ることは難しくなります。

正しい知識を持ってトレーニングに臨むことが非常に重要で、ウェイトトレーニングで筋力を付けたら、それを最大化する技術トレーニングも欠かさないようにしましょう。

 

<続編的位置づけの記事です。よろしければこちらもどうぞ>

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