新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

筋トレでつけた筋肉は「使えない」ではなく「使えていない」だけ

ゴルフ筋トレ

使える筋肉・使えない筋肉

「使える筋肉・使えない筋肉」このフレーズと一緒によく引き合いに出されるのが、ボディービルダーの筋肉とアスリートの筋肉でしょう。

前者の筋肉は見せかけで、後者の筋肉が本物であるという認識は、解剖学的・組織学的にみて全く根拠のない迷信です。

もちろん、過剰に発達した筋肉が運動の邪魔になることはあるかもしれませんが、それは相当に鍛え上げた人の話で、そうなるためにどれだけのトレーニング量と栄養摂取が必要であるかもわかっていないその辺のレッスンプロが軽々しく口にする言葉ではありません。

「大胸筋は鍛えない方が良いよ、ゴルフスイングの邪魔になるから」だの「普通の小学6年生の女の子が240ヤード飛ばすんだよ、筋トレなんかいらないよね」なんて言ってるのをネットやテレビで聞いたことありますが、この言葉、アメリカPGAツアーのプロ連中に面と向かって言えるんですかね。

「正しいスイングありきの筋トレ効果」という言い方であればわかりますが、端から「ゴルフ筋トレ不要説」をゴリ押しするのであれば話は違ってきます。私の説は「筋トレ不要説を唱える解説者不要説」です。
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「使えない」ではなく「使えていない」だけ

筋トレはやっているんだけど飛距離アップの実感がわかない方、特に、筋肉は見た目でもわかるくらい大きくなったけど飛距離が伸びない方、その理由はアマチュアであれば簡単で「そもそも正しいスイングが身についていないから、せっかく付けた筋肉も使いこなすことができない」これが答えと言って良いでしょう。

それでは、プロの場合はどうでしょうか。

プロは、力学的に見て正しいスイングが出来ているはずで、そうであれば筋肉が増えた分、少なくとも飛距離アップの恩恵は受けることができそうです。

しかしその恩恵も実は、動作(スイング)のチューンナップを施さなければ、最大限の効果を発揮することができません。

ベーシックなウェイトトレーニングは競技力向上に結び付くのか
「アスリートのための筋力トレーニングバイブル」河森直紀氏執筆記事より抜粋

「Bobbertら,1994」の研究では、4つの剛体セグメントと6つの骨格筋からなる筋骨格モデルがコンピュータ上で作成され、シミュレーションにより各筋の発火タイミング(=input)をいろいろと変化させながら、最大のジャンプ高(40cm)が得られる最適なinputが決定されました。実際の人間に当てはめて考えてみると、「現在もっている筋力を使って最大限のジャンプができるように練習をやり尽くして、最適な技術を手に入れた」状態です。続いて、このinputは変えずに、筋骨格モデルにおける筋力の変数だけ20%向上させてみたところ、ジャンプ高の低下が観察されました(38cm)。実際の人間に当てはめると、「ジャンプの練習をやり尽くし、”これ以上ジャンプ高を向上させるには筋力を向上させるしかない”とウェイトトレーニングに励んだら、ジャンプ高が低下してしまった」という状況です。

中略

しかし、研究はここで終わらず、筋力が20%向上した条件下で、最適なinputをコンピュータ上で計算し直して、新たに決定したinputを使って筋骨格モデルにジャンプをさせてみたところ、ジャンプ高が増加したのです(48cm)。

これを実際の人間に当てはめて考えると、「ウェイトトレーニングで筋力を向上させうえで、その向上した筋力を上手く使いこなせるようにジャンプ動作を練習して技術を最適化することで、パフォーマンス向上に結びつけることができた」ということになります。

ウェイトトレーニングして終わりではダメなのです。そのあとのチューンナップ(最適化)までやってはじめて、筋力トレーニングの恩恵を受けることができます。

また、抜粋した河森氏の記事の本題は「競技特異的なウェイトトレーニングは必要ない」です。ゴルフスイングに似た動作に負荷をかけてトレーニングしている方は、一度、河森氏の記事を読んでみることをお勧めします。

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まとめ

今後は、「使えない筋肉というものはない、競技力が向上しないのは自分のせい」という認識に改めることにしましょう。

参考書籍

今回参考にさせていただいた本は、「アスリートのための筋力トレーニングバイブル」(編・著 谷本道哉、荒川裕志、監修 石井直方)です。

谷本道哉氏のことを知っている方は多いはず、なぜならNHK筋肉体操でおなじみの谷本氏ですから。

筋肉は裏切らない!” ただし、チューンナップは忘れずに!