新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【スイング探究】左尻を後ろに引くと「前傾角」は維持されるが、上半身・クラブとの動作の連携も重要だ

スイング探究

前傾角が崩れる要因としては様々なものが考えられますが、大体が「振り遅れ」に起因すると考えて良いでしょう。

振り遅れれば体も開くし、伸びあがりもする、いわゆる「スピンアウト」と呼ばれる状態になります。

このスピンアウトを矯正するドリルとして、背面打ち、イチロー打ちなどが考案されていますが、これらは上半身の使い方にフォーカスしたものであり、正しい下半身の使い方ができていなければ病気の再発は必至です。

先述のとおり、前傾角が崩れる要因は様々であり、正直、どこから手をつけるべきがベストなのかわかりませんが、まずは、腰や下半身の使い方に要点を絞って、スピンアウトを防ぐ方法を考え、そのあとに、上半身やクラブとの動作の連携について考えてみたいと思います。

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スピンアウトは右膝、右腰が前に出るから起こる

スピンアウトは、ダウンスイングで右膝、右腰が前に出ることが原因であると言われています。

これが原因であれば、単純な話、切り返しから右腰を前には出さず、逆に左腰を後ろに引くような回転を意識すればよい事になりますが、実際問題どうなのでしょうか。

そこでここでは、イメージを膨らませるために、以下のケンゴ本田氏の動画(GOLF NETWORK)を参考にさせていただくことにしました。

腰の動かし方のイメージ ケンゴ本田氏の動画がわかりやすい

Youtube GOLF NETWORKチャンネル、ケンゴ本田氏の動画です。まずは、下の動画、2:30から7:05までご覧ください。

『前傾角度のキープ』 ケンゴ本田のゴルフアカデミー #3

 

動画の中からいくつか、キーとなる表現を以下の通り箇条書きにしました。

  1. ダウンスイングでお尻のポジションが前に出るため、前傾角度が崩れる
  2. (お尻のポジションが前に出るのは)トップからの切り返しで腰(の回転)が先行してしまうため
  3. 切り返しから腰を回転するのではなく、左に移動するイメージを持つ。その際は横(飛球線方向)ではなく、左後方にお尻を動かすイメージ
  4. 左足を伸ばしながら腰を回転し左後ろに逃がすイメージ
  5. 前傾角をキープするとボールと体の距離が近くなるため、ダフりそうに感じる人は、クラブを左に逃がす

 

全般的に、ケンゴ本田氏のイメージと私のイメージは同じなのですが、3,4,5に関しては少し意見が異なります。

3. と 4. について

左後方にお尻を動かし、そこから左足を伸ばして回転させる意識だと、すでに骨盤(左腰)は回り切っていますので、下半身の力を利用する余地がなくなります。

いわゆる、腰を切るという動作が既に終わってしまっているわけです。

5. について

「ダフリそうなときはクラブを左に逃がす」という表現がありますが、うーん、これは感覚的なものだと思いますので、解決策とは言い難い気がします。

腕とクラブが間違った動きをしてしまったとき、具体的には腕とシャフトの角度が解けてしまったり、タメ(コック角)が速い段階で解けてしまったときに、ダフリそうに感じるのですから、シャローイングやローリングを意識するなどの抜本的な対策が必要だと思われます。

関連記事:【スイング探究】ゴルフスイングの謎が解けてきた! ~クラブのローリングの秘密~

 

もっと言えば、腕とシャフト角が崩れないようグリップを「ゆるしっかり」と握ることも必要でしょう。

私の言う「ゆるしっかり」とは、左手の小指と薬指はしっかり握り、その他はゆるゆるで握る方法です。

関連記事:【スイング探究】グリッププレッシャーの「ゆるゆる」と「しっかり」どちらが正しいのか

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左尻を引いて回転力にする効率的な方法を考える

もちろん、私も上の動画のイメージで練習しました。

動かし方の全体のイメージとしては間違っていないと思いますが、ケンゴ本田氏の説明どおりに下半身を動かしても、何かしっくりこなかったんです。

そこで、私なりに分析した結果、右股関節を軸とし、左股関節(左尻・腰)を回転の動力として使う意識で、スピンアウトが防げ、前傾角度をキープできるのではないか、という結論に至りました。

基本的なイメージはケンゴ本田氏と同じです。しかし、3の左後方へお尻を動かすイメージの前に、骨盤を移動させる、いわゆるバンピングアクションを入れてあげないと、体重の乗った力強い球は打てません。

右股関節を軸とすれば右腰は前に出ない

人は、片足ずつ前に出して力を加え歩きます。自転車を漕ぐときも、左足、右足交互に力を加えます。

基本的に人間が足で力を加えるときは片足ずつです。それならば、骨盤を回転させるときも、力を加えるのは片足だけで十分ではないでしょうか。

そこで、左足だけを使って左股関節に回転力を加えると割り切ってしまえば、右股関節を軸として使えますので、スピンアウトの原因である「右腰が前に出る」現象は起きづらくなるはずです。

ここで、下半身の軸を体のセンターである両足の間に置いてしまうと、回転と同時に右腰も前に出ることになってしまうため、やはり右股関節を軸とする方が適切であると言えるでしょう。

 

また、股関節は「内転・外転、屈曲・伸展・内旋・外旋」が可能な非常に自由度の高い球関節であり、膝関節のように「屈伸・伸展」のみの運動しかできない単純な関節ではないことを忘れてはなりません。

股関節が球関節ではなく、膝のような関節であれば、地面をねじりるよう脚自体を回転させないと骨盤は回転しないと思いますが、幸いにも股関節は球関節、ですから脚自体を回転させなくても、上下(左右)方向の並進運動で、骨盤は回転することができるのです。

関連記事: 【スイング探究】股関節は上半身と下半身をつなぐ巧みな連結・連動機構

腰の回し代をキープすれば腰を切れる

自転車を漕ぎ出す時、ペダルを踏み易い位置にセットすると思いますが、そのポジションは、力を長くかけることができるポジションであるはずです。言い換えれば「ペダルの踏み代が大きいポジション」ということになります。

ゴルフスイングも同じで、「腰の回し代」が大きいと、力を長くかけることができるため、結果的により大きなパワーを生み出すことができます。

先の動画の説明のように、骨盤を移動させる際、左後ろに移動させてしまうと、回し代がなくなりますので、十分なパワーを生み出す事ができません。そのため、その不足分を補うために右足を使ってしまい、結果スピンアウトになってしまうことも考えられます。

このことから、骨盤を移動させるときは出来るだけ腰を開かないようにしたほうが、回し代が残り易く、より多くのパワーを生み出す事ができることでしょう。

また、足の裏に無限大(∞)を描くように体重移動すると良い、と聞いたことはないでしょうか。

これは、切り返しから骨盤を移動させると同時に、左足の母指球に体重が乗る状態を作るための動きを表現していると思われます。(無限大の右下(右踵)から左上(左足母指球)への体重移動)

そして、この動きが正しくできた時、腰の回り代が十分であることにも気付くはずです。

左尻(腰)を引く前に右股関節を押し込む

それともう一つ、骨盤が移動するということは、右股関節の位置も移動して当然であることを忘れてはいけません。

右股関節をガチガチの固定された回転軸と考えるのではなく、飛球線方向と平行に移動できる軸と考えるべきです。

感覚的な話になりますが、ダウンスイングに入る際、骨盤が右に回った状態で右足の母指球を使ってグイっと飛球線前方に右股関節を押し込めば、体重の乗った力強い球が打てるはずです。いわゆる、バンピングと呼ばれる動作ですね。

 

ただ、上記グレー枠にあるように、「ダウンスイングに入る際、右股関節を押し込む」のは、タイミング的にいささか遅すぎるようです。

よく、「テイクバックの途中で打ちに行く意識を持てば、、、」なんて表現されますが、これに通ずるのが「トップで右腰に拳一個から半個分程度のスペースを作る」イメージです。

この意識を持つことで、腰の回し代がキープされたナチュラルな体重移動が “勝手に” 起こり、左尻を引く力で体を回転させることができると思われます。

関連記事: 【スイング探究】最適な体重移動(荷重移動)のタイミングを習得する方法

結局のところ、あれこれ考えて練習するより、この意識を徹底すればスピンアウトに起因する前傾角の崩れ問題は解決できるような気がすのですが。

尚、冒頭で述べた振り遅れも、この意識により治るはずです。

追記(2021.1.30):体重移動のコツはマキロイから学べ

上記では、「右股関節をグイっと押し込む」と表現していますが、最近になって、この考え方には無理があると思うようになりました。

というのも、野球のピッチャー(右利き)は、前方に左足を踏み込む際、右足で地面を蹴るようなことはしていないはずで、あくまでも右足は自身の体重を支えるのみ。どちらかと言えば、体を倒す(傾ける)ことで前方に足を踏み出しているように思います。

余計なところに気を遣わずに、あくまでもシンプルに、自然なスイングを実現するためには、上記のような「右股関節をグイっと押し込む」ような意識は、極力排除していくべきだと考えを改めました。

であるなら、重力を利用して、左足方向へ倒れるように体重を移動すればいい。ようするに、肩口付近を意識しながら、上半身を左足方向へちょっとだけ倒してあげるわけです。もちろん、捻転した状態を保ったままです。

そうすれば、先述した腰の回り代も残りますから、結果的に左尻を引くよう骨盤を回転させることも容易になるはずです。

 

下のマキロイの動画をどうぞご覧ください。注目すべきは、マキロイの左踵の動きです。ダウンスイングに入る瞬間、左足の踵が飛球線前方に動くことが確認できると思います。

これは、捻転を解かずに、左足への体重移動が行われている証拠。そして、力むことなく、楽に体重移動をしているように見えますから、おそらく、野球のピッチャー同様、体を倒す力を利用しているのでしょう。

 

尚、マキロイの体重移動の方法については(もちろん推測になりますが)、「ゴルフメカ談議」のなかで詳しく述べておりますので、参照いただければ幸いです。

#4 マキロイの左踵に注目!これができればあなたも手打ちから脱却できる!(馬ウマ天国:延長戦)
【前回(#3)までのあらすじ】左サイドリードのヒントはダスティン・ジョンソンとマキロイにあり、そう話すパンゴルであった。ダスティン・ジョンソンのフォワードプレスは、単に始動のきっかけづくりだけではなく、手元を左サイドにキープする効果があり、そして、マキロイに関しては、切り返しからの左踵の動きが鍵になる。左への体重移動ができれば、マキロイのような左踵の動きになることを突き止めた後輩Aであるが、実は、難しいのは、体重移動そのものではなく、そのタイミングであるとパンゴルは言う。焼酎のボトルは残り僅か。飲み切るまでに、この謎を解くことができるのか?場所は居酒屋「馬ウマ天国」である。
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下半身の動きと上半身の動きをリンクさせる方法

「トップで右腰に拳一個から半個分程度のスペースを作る」意識を持てば、切り返し以降、ほぼオートマチックに運動の連鎖が起こります。

しかし、それだけで上手くいくかと言えばそうでもありません。

上半身の特に背中の筋肉、ここに「たるみ」があるとクラブが下半身の動きについてこれないのです。

反動(SSC)を使って背中の筋肉の「たるみ」をとる

もっとも効率の良い切り返しは反動を使うこと。そのためには伸長-短縮サイクル(SSC)を利用しなければなりません。

SSCとは、腱をバネのように使ってパワーを生み出す事を言います。バネのように使うわけですから自ずと背中の筋肉のたるみもとれ、これにより下半身で生み出したパワーが体幹に効率よく伝わって、最終的に十分な力がヘッドに伝達されるというわけです。

言い換えれば、運動の連鎖とはタイミングが命。私は飛距離アップに筋力トレーニングは必要であると考えていますが、それはこのタイミングをマスターしてからでも遅くはありません。

関連記事: 【スイング探究】反動を使った伸張‐短縮サイクル(SSC)による飛距離アップ

ゴルフクラブは慣性で上げる

ゴルフクラブを手や腕を使って挙上し、トップを作っている人はご注意ください。

これをやってしまうと、テイクバックの途中で打ちに行く意識を持ったとしてもうまくいきません。

「ゴルフクラブは体で上げる」などと言いますが、正確には「スイングの始動から、体を使ってヘッドに勢いをつけたら、あとは、ヘッドに働く慣性で勝手にクラブが挙上される」となります。

クラブが勝手に上がって、切り返しの段階でバンピングが完了、もしくはその動作に既に入っていたとしたら、そこには捻転差が生まれています。

そして、この捻転差が、背中の左側に「張り」として感じられるのです。

このとき、背中の筋肉の「たるみ」はなくなっていますから、左サイドで思う存分引っ張ることが可能で、当然のごとく下半身リードが完成しているはずです。

 

先日、友人とこの話をしていた時、「あっ、それと同じことYoutubeで見た」と言われました。

聞くところによると、「Daichiチャンネル、、、だったかな」と言ってましたので、おそらく、以下の菅原大地さんの解説動画を言っていたのだと思います。

これ本当、わかりやすいわ~。

(他の動画はわかりませんが、この動画は )非常に参考になりますので、お時間ある方はどうぞ。

※これ重要!「上げる」じゃない【クラブは〇〇で上がる⁉】以下の症状の方はぜひご覧ください☆【ミート率が悪い、オーバースイング、手首がほどける、あおり打ち、左足に体重移動できない】

 

まとめ

これまでゴルフスイングは、一連の運動の中から特定箇所のみを切り取って説明されてきましたが、運動の連鎖という観点からみれば、それだけで説明できるはずがありません。

スピンアウトは「左尻を引く」意識を持てば比較的簡単に修正できるでしょう。

しかし、上半身の動きを考慮しなかったら、結局望みどおりの球筋なんて打つことはできませんから堂々巡りに陥ってしまうのです。

腕、上半身(体幹)、下半身(脚)の動きは、全て整合性の取れた形で説明されなければなりません。

スイング全体を見た上で、良い動き、悪い動きは判断されるべきでしょう。