新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【スイング探究】縦振り・横振りいったいどっち?

スイング探究

ゴルフスイングは、縦振りなのでしょうか、横振りなのでしょうか?

最近私が思うのが、この感覚の違いは、プレイヤーのインパクトメージにあると。

ご自身のインパクトイメージを思い返してください。

ボールを押し潰して飛ばしていますか?叩いて飛ばしていますか?

押し潰して飛ばす人は縦振り、叩いて飛ばすイメージの人は横振りになっていると思います。

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縦振りはボールを押し潰し、横振りは叩く

私の中では、デシャンボー、ブルックス・ケプカやダスティン・ジョンソンは縦振り系、ロリー・マキロイやリッキー・ファウラーは横振り系です。

 

あくまでもイメージですが、縦振り系のスイングは、フェースローテーションを抑えて、ボールをグシャリと潰して振り抜いていく感じ。

そのため、シャットフェース(フェースがテイクバックで地面を向き、トップでフェースが空を向く)の使い手が多いように思えます。

 

一方、横振り系は、ボールを叩くという表現がぴったりはまります。

体幹の回転力がヘッドに伝達され、ボールをバチーンと叩いて飛ばすイメージです。

 

正直なところ、各選手がどのようなインパクトイメージを持っているのか聞いてみないことにはわかりませんが、そこまで間違ってもいないと思います。(理由は後述します)

 

ただ、縦振りに分類したダスティン・ジョンソンは、判断が難しい。

グリップはストロング、そしてトップで左手首が大きく掌屈していますから、シャットを超えた激シャットとなるわけですが、そこからシャローイングをして振り抜いています。

デシャンボーやケプカのように、切り返しからそのまま振り下ろしてくれれば縦振り決定なのですが、シャローイングが入るからややこしいのです。

シャローイングによる効果は、入射角を緩やかにしスピン量が抑えられることと考えていますが、その他、ローリング角速度の増加による、βおよびγトルクの増大にも寄与します。

【スイング探究】フェースローテーション・シャロー・飛距離にお悩みの方必見! ~ローリングに隠された秘密~
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とはいえ、本人は、むしろフェースローテーションを抑えようとしているのでしょう。

それが、ダスティンの激ハンドファーストインパクトに現れています。

これは、ローリング効果でフェースが返りすぎる前に、ドカーンと球をぶっ潰してインパクトしようと考えた結果ではないでしょうか。

そうなると、ダスティン・ジョンソンのスイングは、縦振りと横振り両方を融合したハイブリッド系スイングと言えるのかもしれません。

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縦振り系のメリットは?

縦振り系に多いシャットフェースのスイングは、フェースローテーションを抑えたい方、方向性重視の方にお勧めです。

さらに、慣性モーメントが大きくなった現代の大型ヘッドにもマッチしていると思われます。(そもそもヘッドが返りにくい仕様のクラブになったのだから、わざわざヘッドを返すスイングなんてしなくてもいいでしょ、という意味)

ただ、フェースローテーションを抑えると、前述のβおよびγトルクも抑えられるため、飛距離的には損をする可能性があります。

そのため、下のケプカの談のように、体格が良く筋量も多い、元々飛ぶタイプの人にとっては、方向性を向上させるという点でメリットになりますが、元々飛ばないタイプの人にとっては飛距離を損してしまうだけになるかもしれません。

ブルックス・ケプカは、フェード系の球筋がお好みらしく、シャットフェースの使い手です。

ケプカ談「ボクは飛距離が常に十分出るので、いつもフェアウェイキープを意識するタイプです。100%の力で打つことはありません。大体いつも90%ぐらいのイメージです。」とのこと。

(ALBAサイトより抜粋)

横振り系のメリットは?

以下の2つが横振り系の主なメリットだと思われます。

  • ローリングと腕の旋回によるβ, γトルクの増大
  • 球を捕まえドロー系の球で飛ばす

 

そこで、横振り系の代表選手と言えばリッキー・ファウラー。

※ マキロイでも良いのですが、スイング軌道から見るとリッキーのほうが顕著

 

リッキーのスイングを目指している方は、下記動画のようなテイクバックを意識した方が良いかもしれません。

1:25のリッキーのフェースの向きに注目してください。

※ 英語の動画ですが、GoodとBadの英語の意味さえ分かれば理解できます。

Rickie Fowler on How To Fix Your Drive Slice | Golf Lessons | Golf Digest

Goodはフェースが正面を向いており、Badは斜め下を向いた、いわゆるシャットフェースです。

動画内で、以前のリッキーはBadの向きだったと解説がありますが、私も何となくこの動画の言わんとすることがわかります。

Badのようにフェースを閉じてテイクバックすると、切り返しからダウンにかけてヘッドをループさせ、シャローに入れるまでの間が非常に忙しくなります。特にリッキーのようなテンポの速いスイングだと尚更でしょう。

 

下の動画は、Bad時代のリッキーファウラー。Badのポジションからの腕の旋回がとても忙しく見えませんか?

リッキーファウラー アイアンスイング 後方からのスロー動画

 

それはともかく、横振りはローリングならびに腕旋回系のスイングとすこぶる相性がよく、その代表格のリッキーも、ぐるんぐるんと腕を旋回させているように見えます。

ドロー系で球を飛ばしたいのなら、断然リッキーのような横振りスイングがお勧めですね。

 

とはいえ、リッキーは切り返しのテンポが無茶苦茶速く感じますから、難しいと感じる方はマキロイをお手本にしましょう。

私はリッキーを応援していますが、お手本はマキロイにしています。

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縦振りは右腰と右手、横振りは左腰と左手

フェースがボールに向いた状態を維持したままテイクバックするのがシャット使いのコツです。

ということは、シャフト軸周りのローリングおよび腕の旋回はむしろ邪魔者で、これらが入るとせっかくの「方向性」が失われてしまいます。

ここで少し考えてみましょう。

フェースをシャットに使って、フェース面を変えないように振ろうとすれば、スイングイメージは回転運動ではなく、直線運動に近くなるはずです。

そして、直線的にクラブを振れば、フェース面は開いたままになりやすいため、自然とストロンググリップになります。

また、フェースを返す必要がないのであれば、クラブは左手で引っ張るのではなく、右手で押すように使ったほうが力が入ります。

つまり、縦振りとは、回転運動というより直線運動、右手・右腰でボールを押し潰すようなインパクトをイメージしたほうが、力の伝達効率的にも都合が良いのです。

目の前にある重たい箱を直線的に押そうとしたとき、わざわざ箱の横に立って体幹の回転力で箱を押そうなんて考える人いませんよね。

 

対して、横振りの場合、フェースは開いて閉じるように使わないとスムーズなスイングにはなりません。

そこで重要なのが、左手・左腕の使い方です。

トップで開いたフェースを閉じるのは左手・左腕の役割であり、クラブを横に振るのも左手・左腕の役割なのです。

いきなりですが、こういう疑問をもったことありませんか?

「実際のスイングでは、腕は縦(気味)に振られるのに、どうしてクラブだけ横に振られるんじゃい」と。

実は、これを可能にするのが、ローリングだったり腕の旋回なんです。

そして、これらの作用を強めてくれるのが、シャローイングなのです。

シャローイングをするとクラブは寝て入ってくることになりますから、当然右掌は斜め上を向いた状態です。

そこから、どうやってインパクトまで持っていけばよいか想像してください。

すぐにわかると思いますが、左手・左腕ならびに左腰を使って、グリップエンドを引っ張って臍に向けてこないと、ヘッドは返ってくれません。

グリップエンドが引っ張られることによって、インパクトゾーンの入り口で開いたフェースが、インパクトに向け急激に閉じられるのです。

横振りイメージがボールを叩くイメージを持たせるのか、はたまた、ボールを叩くイメージが横振りイメージを持たせるのかわかりませんが、いずれにせよ、左手・左腕ならびに左腰を使ってクラブを引っ張るようにすると、横振りとなり、ボールを押すというより叩くイメージになると考えて良いでしょう。

左手を飛球線方向に引っ張るように使ったのでは、いつまでたってもヘッドは返りませんから、臍に向けて引っ張ってこないといけません。このことは、皆さん経験的にご存じのことと思います。

 

続いて、ダスティン・ジョンソンのスイングについて考えてみましょう。

ダスティン・ジョンソンはシャローでありながら、インパクトでは激ハンドファースト、右手でボールを押し潰しているように見えます。(前述のとおり、縦横ハイブリッド型)

彼が激ハンドファーストにした理由、それは横振りの説明でも述べた通り、シャローではインパクトに向け急激にフェースがローテーションしますから、左へのひっかけミスを防ぐためだったのではないでしょうか。

激ハンドファーストにすることで、シャローによるトルク増大の恩恵を受けることができ、かつ右手でドーンとボールを押すのですから、結果的には、縦と横の良いとこ取りです。

ただし、彼のようにこのスイングがハマった人は激飛びするでしょうが、縦・横2つの要素の組合わせとなりますから難しいことには間違いありません。

(流行りのGGスイングはこの効果を狙ったものなのかも)

まとめ

縦振りと横振り、いったいどっちが良いのか。

結局のところ、どちらが正解とは言えませんが、ご自身のインパクトイメージから逆算して考えれば、目指すべきスイングは見えてくるはずです。

“フェースはシャットに使って返さない” のであればケプカ。”フェースを積極的に返す(換言すればトルク増大を狙う)” のであればリッキーとマキロイ。そして、もっと欲張ればハイブリッド型のダスティン・ジョンソンが良いお手本となるでしょう。

 

とはいえ、私はやっぱり横振りだと思ってます。

トップ画像のように、ヘリコプターは横回転ですから、もっとも効率が良いのは横振りじゃないかと。