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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【スイング探究】スイング中は重心位置をコントロールせよ ~ 前傾角の維持に関して ~

スイング探究

先日、私のTwitterアカウントに、陸上十種競技の日本記録保持者、右代啓祐選手のインタビュー記事が流れてきました。

右代選手の競技成績が飛躍的に伸びた背景には、タレントである武井壮さんからの指摘があったそうです。

なんでも「自分の体をコントロールできないくせに技術の話をするな」と言われたそうな。

  • Yahoo Japanニュース: 十種競技の日本記録保持者・右代啓祐が明かす “恩人”武井壮から受けた「衝撃」(記事が削除されたため、タイトルのみのご紹介です)

今回は、陸上競技の一流アスリート、右代選手の取り組みを参考に、ゴルフにおける重心コントロールの重要性について考えてみたいと思います。

求められたのは、身体のコントロール能力

現在タレントとして活躍中の武井壮氏は、2009年、日本陸上連盟の混成競技合宿で臨時コーチを務めていらっしゃったそうです。

その合宿に参加していた十種競技の右代選手、コーチの武井氏から以下のような注文をつけられました。

右代は武井氏に2年間ほど師事するが、まず言われたことが「逆立ちをしてみろ」だった。

「逆立ちして、俺の言う通りに動いてみろって言われたんです。いざやってみると、止まれって言われても止まれない。歩き出してって言われても歩けない。横にカニ歩きみたいに動けって言われても動けない。『お前さ、陸上の技術をあれこれ言っているけど、逆立ちして自分の体をコントロールすらできないのに、技術の話をするな』って言われて。引退か……っていうくらい落ち込みました(笑)」

「逆立ちは、立っている時に足をついていることが手に変わるだけ。でも『足の接地とか重心の位置とか考えたことあるか?』と言われると、そんなこと考えたことなかったんですよ。日常的にどこに立っていると楽だとか、歩く時は重心がどこで体を前に何度倒したら進むとか、上半身を倒すと進むのか、足から先に出ていくのか、とか。普段、意識したことないじゃないですか。だから、そこを1つ1つ考えていったら、逆立ちで止まるために必要なことができていなかったんです」

(Yahoo Japan ニュースより抜粋)

 

逆立ちは、私、できません。

それはいいとして、まず重要となるのが、身体コントロール能力の程度、を自分自身が把握することです。

 

鏡の前で目を瞑って、腕を水平にしてみましょう。そして、目を開けて腕の上がり具合を確認してみると、どうでしょうか。

両腕とも自分が思い描いた通り水平に上がっていますか。

想像よりも上がり過ぎていたり、下がり過ぎていたり、もしくは、片方は水平だけど、もう片方は下がり気味だったりしていませんか。

もし、こんな単純な動作でも思うような姿勢が作れないとしたら、ゴルフでも自分の思い通りに体を動かすなんてできっこないでしょう。

 

では、動作の精度を高めるどうすれば良いのでしょうか。

そのためには、上記引用文の下線部にあるように、普段から自分の動作を点検し、感覚磨きを習慣づけておくと良いかもしれません。(右代選手は「いろいろなセンサーを働かせる」と表現しています)

 

とはいえ、いついつも感覚を研ぎ澄ましておくなんて、並大抵ではありませんよね。

であれば、自分のできる範囲で、例えば、練習場で球を打つときだけでもいいから、感覚を研ぎ澄まし、いろいろなセンサーを働かせる時間を設けることにしましょう。

その中でも特に、身体重心の位置を感じとる力(センサー)に磨きをかけるべきではないでしょうか。

数ある能力・感覚のうち、何を磨くのが最も効率が良いのか。

それは、人によってさまざまですが、私は身体重心のコントロール能力と、それを感じ取る力(センサー)だと考えています。

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新しい感覚器 “重心センサー” を身につける

多くの方がスイング中の前傾角の維持にお困りなのでしょう。過去記事「【スイング探究】左尻を後ろに引くと「前傾角」は維持される」のアクセス数が増えていますから何となくわかります。

この過去記事でお伝えした「左尻を引く方法」は機械的にカラダを動かす、いわば従来のゴルフ指導法です。

しかし、今回は、自分自身のセンサーを最大限に働かせ、自分の体を自在にコントロールしていこうではないか、という趣旨でご紹介していきたいと思います。

 

前傾角を維持する方法は、姿勢による重心位置の変化に秘密があると私は考えています。

そして、その秘密はめちゃくちゃ単純で、誰でもが納得できるものであり、その知識を持ったうえで、センサーをビシビシと働かせれば、前傾角を維持する感覚が自ずと身につくはずです。

 

上手い人がこう動かしているから、これが正しいのだろうという「人まね」ではなく、正しい知識の上に成り立つ「自分流」でスイングを作り上げていきましょう。

そのためには、新しい感覚器 “重心センサーを身につける必要があるのです。

 

毎年のように「〇〇理論」なんてものが出てきますが、この〇〇理論は、ほとんどが提唱者の長年のコツを紹介した「体の動かし方」を説いたものにほかなりません。

しかし、スポーツ科学の見地に立って考えてみれば、そんなに毎年〇〇理論なるものがたくさん出てくることのほうが、よっぽどおかしいと気づくことができます。

ゴルフ本を何冊も読んだことある方はおわかりでしょう。科学的、物理的だのと言葉が付いた本で、科学的、物理的にスイングを解説している本などほとんど存在しないことを。

90%以上のゴルフ本が、自分のスイングのコツを紹介する極意本ですから。

だから結局、「こう動かせ」的な内容になってしまうんですよね。

前傾角維持の可否は、アドレスでほぼ決まる?

股関節から骨盤を前傾させたほうが、というか、させないと、スイング中の前傾角の維持は難しいと考えます。

 

下図は、重心位置のイメージです。

(あくまでもイメージです。本当にそこかと言われてもわかりません。特に左の図は、体の外側に出し過ぎてしまった感があります)

 

黄色い丸が重心を表しており、左側のアドレスでは体の外側に、右側のアドレスでは体の内側に重心位置が存在しています。

そして、右側の図のように、重心位置が体の内側に入っているときは、上半身は起きていないとバランスはとれません。

すなわち、前傾角を維持しようと思えば、左側のように、スイング中は(少なくともインパクトまでは)、ずっと体の外側に身体の重心を置いておくようなイメージ、もありかと。体の内側に重心を置くイメージを持つと、体は起き上がってしまう気がします。

 

スイング中、左右の重心移動を考える方は多くいらっしゃると思いますが、体の前面(胸)から後面(背中)方向の重心移動について考える方はほとんどいないと思います。

多分それは、スイングにとってあまり重要ではないから。(もしくは、重要だけど、そもそもそんなに動くものではない、とされているから)

そこで、前・後面方向の重心移動がないものと考えれば、右側のアドレスをとった時点で伸びあがりは必然、とは言えないまでも、ほとんどの人がそうなってしまうことが予想されます。

やはり、股関節から骨盤を前傾させないと、前傾角の維持は難しそうですね。

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前傾角を維持するには?

体の動かし方のみに着目し、それを言葉で表現するならば、過去記事「【スイング探究】左尻を後ろに引くと「前傾角」は維持される」にあるように、「左尻を引く」となりますが、ここで言いたいのはそういうことではなく、「心的イメージとして重心位置の移動の軌道を思い描き、スイング中それがどこにあるのかを常に重心センサーで監視しなければ、正しい体とクラブの動きは身につかない」ということです。

結局のところ、最後に頼れるのは自分の感覚のみになるわけですが、とはいえ、前傾角を維持するために相性の良い動きと悪い動きを知っておけば何かと役に立つはず。

私の考えを以下にまとめておきました。ご参考にどうぞ。

スイングなんて個人差ありますから、これは絶対にやってはいけない、なんてものはないはずですが、アベコベな組み合わせだけは絶対に避けるべきでしょう。

 

【前傾維持にプラスに働く動作】【前傾維持にマイナスに働く動作】
股関節から骨盤を前傾するアドレス骨盤を立て気味にするアドレス
横振りイメージ縦振りイメージ
右脚 ~ センター軸回転センター ~ 左脚軸回転
切り返しからバンピングしての下半身リード切り返しからいきなりの下半身リード
自然発生的なアームローテション自発的なアームローテーション
叩くインパクト押すインパクト

(各項の詳細な説明は省きます)

 

上表はあくまでも、前傾角維持を目的として分類した、プラス・マイナスのグループ分けになります。ゴルフスイングにとってのプラス・マイナスではありませんのでご注意ください。

ただし、体(下半身)の回転軸を左脚(足)にするのは、非常に危険であると思います。左足が軸だと右腰は出て然るべしですから、当然伸びあがりの原因になりますね。

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まとめ

結局のところ、スイングは自身の努力によって作り上げていくしかありませんが、ここで言いたかったのは、正しい動きを教わったとしても、それを感じ取るセンサーが存在していなかったら、ただの物まねになってしまうということです。

そのためには、普段から自分のセンサーに磨きをかけておくことが必要で、さらに、センサーが正しく動作するには、正しい知識が必要となります。