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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【スイング探究】手打ちとボディーターン、結局どっちが正しいのか

スイング探究

手打ちとボディーターン、どちらが正しいのか論争は、いまだ議論が2分する難問の一つですが、私は圧倒的にボディーターンの方が正しいと考えています。

その理由は、腕の筋肉よりも、脚や体幹の筋肉の方が圧倒的に多いから。そして、運動連鎖の観点から見ても、末端側に力を流すのは最後の最後であるべきだと考えているからです。

もちろん、スイング中、手や腕を全く使うなと言っているわけではありません。しかし、使っていいのはインパクト前後に限定されるべきであり、そこ以外は体の大きな筋肉を使ってスイングすべきだと考えているわけです。

 

それと、本編に進む前に、ボディーターンの”ボディー”の定義を明確にしておかなければなりません。

ボディーターンという言葉を使い出した人が、ボディーにどのような定義を与えたのかは知りませんが、本記事においては、”ボディー”とは”体幹”と同義であり、また、肝心の体幹の範囲は、”頭と四肢を除いた股関節から肩の領域”と定義させていただきます。

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体幹は力の源泉である

手打ちよりボディーターンのほうが望ましい理由は、先述した通り、筋肉量の違いから大雑把に説明できます。(体幹の骨格筋群は、身体全体の筋の40~50%を占める)

しかしながら、四肢を動かす力の源が常に体幹側にあることも、その理由になり得るはずだと個人的には考えています。

 

例えば、手首を動かすときに使われる筋肉は、前腕の筋肉です。

そして、腕を屈曲させるときに使われる筋肉は、上腕二頭筋、対して伸展させるときには上腕三頭筋が使われます。

また、腕全体を動かすときに使われる筋肉は、三角筋から大胸筋、背筋といった筋肉が使われます。

 

このようにヒトは、動かしたい部位の一つ手前(体幹側)の筋肉を使って運動を構築するのです。

もちろん、この法則性は、脚においても成り立ちますから、結局のところ、手、腕、足、脚などの四肢から力の伝達経路を辿っていけば、体幹の筋肉に繋がることがわかります。

この事実をもってして、力の源泉は体幹にあると言っても差し支えないでしょう。

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ダイナミックな運動は、自ずと体幹主導になる

ごみ箱に、丸めた紙をポイっと捨てるくらいの動きであれば、手や腕の動きのみで十分でしょう。

しかし、球を遠くに飛ばさなければならないようなゴルフスイングにおいては、特段意識することなく体幹がエンジンとなるはずです。

しかしながら、そうは言っても自分は手打ちと主張する人もいるわけで、それはそれで構わないのですが、先述した力の伝達経路を考慮すれば、手打ちの効率の悪さが際立ってしまいます。

このような力の発揮システムは、人間にもともと備わっているものであり、あまり深く考えても仕方ないと思いますが、とにかく、私たちの体には「運動強度の低い動きほど末端の関節がパフォーマンスの決め手となり、ダイナミックな運動になるほど体幹主導になる」(<知的>スポーツのすすめ、より抜粋) という原則が宿っていることを忘れてはなりません。

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体幹のパワーを使ってムチ動作で球を打つ

「<知的>スポーツのすすめ」(深代千之著)に、以下の3つの要素を使うことで、末端のスピードを上げることができるとあります。

  • 捻り
  • 反動
  • ムチ動作

捻り

”Xファクター”という言葉があるくらい、ゴルフスイングと捻りは切っても切れない関係です。

”Xファクター”とは、腰と肩の捻転差のこと。すなわち、体幹の捻りの度合いを意味しています。

もちろん、スイング中は、腕も捻られていることでしょう。しかしながら、筋肉量を比較すれば、その寄与度は相当に少ないものだと予想されます。

【スイング探究】大きな捻転差は飛距離を生むのか? ~ Xファクターを考える ~
「大きな捻転差が飛距離を生む」と一般的に言われていますが、本当でしょうか?私も「捻転差は大きいほうが良いだろう」と考えていた時期があったわけですが、最近は「捻転は必要だが、飛びには直結しない」と考えるようになりました。「カラダが捻じり戻る力を利用して飛ばすんだよ」・・・もっともな理屈のように聞こえますが、いざ意識してそれをやってみても、どうもしっくりこないのです。そもそも、捻転の役割って何なんでしょうね?

反動

ゴルフスイングでは主に、切り返しにおいて反動が使われています。

反動の仕組みは、伸張ー短縮サイクル(SSC)によって説明でき、筋肉や腱が引き伸ばされて戻る弾性力が、力の発揮に大きく関与することが分かっています。

ではここで、切り返し時の反動において使われるメインの筋肉とはどこなのか、考えてみることにしましょう。

・・・それは、体幹の筋肉。特に背中の左側の筋肉が引き伸ばされることになると思います。

少なくとも腕の筋肉ではないはずで、ということはやはり、体幹主導のボディーターンのほうが望ましいわけです。

【スイング探究】反動を使って飛距離アップを狙う ~伸張‐短縮サイクル(SSC)の効果~
飛距離アップには筋力トレーニングが欠かせませんが、反動を正しく使いこなすことができれば、筋トレするよりも、もっと短時間で効率的に飛距離アップを実現することができるでしょう。そもそもゴルフスイングは、アドレスから飛球線と反対方向にクラブを振り上げることからわもかるように、反動を使うことで成り立つものです。全く反動を使わないのであれば、野球のバッターのように構えてボールを打っても問題ないはず。しかし、そのようなプレーヤーは見たことがありません。つまり、どんなスイングの人でも、少なからず反動を使っているのです。

ムチ動作

「ムチ動作」とは、ムチを振った時に見られるように、力が体幹側から末端側に伝達されていく様のことを言います。

アスリートの芸術的でしなやかな動きは、この「ムチ動作」によるもの。熟練したプロゴルファーの動きがしなやかである理由も、ムチ動作が体現されていることに他なりません。

もし、体幹から力が伝達される前に、腕の筋力を使ってスイングしてしまったら・・・・その時点で、体幹側からの力の伝達経路は遮断され、本当の意味での手打ちスイングが出来上がってしまいます。

力はあくまでも、体幹側から末端側に向けて伝達されなければなりません。

したがって、手や腕を使うのは最後の最後、インパクトの瞬間まで待つべきです

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まとめ

やはり、どう考えても手打ちが正しいなんて理論は成り立たないような気がします。

力の発揮レベルにおいても、運動の効率性においても、体幹主導のボディーターンのほうが有利であることは間違いありません。

手や腕を使うのは最後の最後、インパクトまで我慢しましょう。

 

ちなみに、ボールを投げる時も、蹴るときも、腕や脚の筋肉はさほど使われていないことが分かっています。

見た目と実際は違うのです。”腕を速く振れば、ボールを遠くに飛ばせる” なんていうのは幻想に過ぎません。

参考書籍