新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

【スイング探究】並進運動を回転運動に変換する体重移動の効果

スイング探究

私は、ゴルフスイングにおいて最も難解であり謎に包まれているのが、下半身の動かし方だと考えています。

なぜなら、切り返し以降、沈み込むべきか、並進方向の体重移動をするべきか、はたまた左一軸打法(スタック&チルト)のように終始左足に荷重しておくべきか・・・プレーヤーが描くスイングイメージによって、最適な下半身の動かし方が異なってくるためです。

とはいえ、よっぽど特徴的なイメージでない限り、結局のところは ”沈み込み” か ”並進方向への体重移動” 、そのどちらかを試すことになるのではないでしょうか。

そこで今回は、並進方向への体重移動に着目し、それをすることでどのような効果が見込めるのかを考えてみることにしました。

テイクバックから右足に乗り、ダウンスイングで左足に体重を乗せるような、オーソドックスなスイングを心掛けている方はご一読ください。

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並進運動は回転運動に変換される

バイオメカニクス(生体力学)の本をパラパラとめくっていたある日のこと、ページの片隅に、以下のコラムを発見しました。

 

並進運動から回転運動への変換

投手のピッチングや剣道の面打ち、テニスのフォアハンドストロークなどに見られるように、①踏み出した足を着地させると、身体全体が並進から回転の運動へ突然変わることが観察される。これは②手先や用具の先端の速度を増加させるための技術であり、力学的には運動量と力積の概念を使って説明されている。

(スポーツバイオメカニクス:宮西智久編、岡田英孝、藤井範久著、より引用)

 

上記引用文の下線部①に注目してください。

”踏み出した足を着地させると、身体全体が並進から回転の運動へ突然変わることが観察される”とあります。これこそまさに、並進方向への体重移動の効果を言い当てた言葉ではないでしょうか。

ゴルフスイングは紛れもない回転運動。引用文にゴルフは例として挙げられていませんが、適用可能であることは間違いありません。

 

続いて、引用文の下線部②について。

手先や用具の先端の速度を増加させるための技術” とは、「ムチ動作」を体現するための技術であると言い変えることができます。

「ムチ動作」とは、トップアスリートが見せるしなやかな動きそのものであり、中枢部(体幹)から末端側へエネルギーがスムーズに転移されれば、それがムチのような動きとなって現れてくる。つまり、プロゴルファーのように効率的なスイングができている人に見られる動作が「ムチ動作」なのです。

しかしながら、ただただ、左足方向へ体重すればいいというわけではありません。エネルギーは方向を持っていないのですから、必ずしも運動のエネルギーに変換されるとは限らないのです。

ですので、勝負は左足を踏み込んだ後の体の使い方。ここを間違えてしまうと、末端の速度を増加させることなどできないでしょう。言い換えれば、せっかく並進移動をしても回転運動に変換されないということになります。

 

ここからは私のイメージですが、野球のピッチャーの体の使い方がヒントになると考えています。

ピッチャーは、並進運動を左足で受け止めたら、それによって生じた地面反力を左股関節に作用させ、体幹(腰)を回転させる力に変換しているように見えます。あいまいな表現になりますが、地面反力をいなしながら、回転力に変換しているというイメージでしょうか。

ですので、左サイドの壁に体をぶつけて止めってしまっては駄目で、左サイドの壁に到達したら、壁沿いに体を回転させるような体の使い方が正しいように思われます。

ようするに、並進移動によってエネルギーを産み出すことはできるが、そのあとの体の使い方が決め手であり、つまり、並進移動から回転運動への変換は、その人の技術に大いに依存するということです。

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並進移動と沈み込みを組み合わせる

並進移動とはいっても、その方向は水平ではなく、若干の沈み込みを伴うべきだと考えています。

というのも、骨盤から前傾させて構えるのがアドレスの基本ですから、スイング中、腰は斜めに回転するはずで、そうすると、トップにおける腰の高さは左右同じではなく、左腰が低く、右腰が高い状態となるはずです。

この状態を維持したまま並進移動することを思えば、左脚に若干の屈曲が入るのが普通であり、言うなれば、左足斜め下方向に沈み込む感覚を覚えることになると思われます。

実際にこの動作が正しいのかどうか、私の感覚ですから断言はできませんが、沈み込めばその分ジャンプ動作にも繋げやすくなるため、並進移動と沈み込みの親和性自体は高いはずです。(個人的には、マキロイがバンピング+沈み込みの代表選手のように感じています)

※ 沈み込み動作の効果については以下の記事にまとめております。

【スイング探究】地面反力を利用したジャンプ打法で飛距離もジャンプアップ!
インパクトで地面を蹴り上げ、あたかもジャンプしながら球を打っているかのように見えるジャンプ打法。一昔前までは、体の上下動を極力抑える打ち方が主流でしたが、今や飛距離が重視される時代。GGスイングなど、地面反力を有効に使う理論が台頭してきたこともあり、上下動に対するアレルギーもだいぶ緩和されてきたように感じています。ところでなぜ、ジャンプするとボールを遠くに飛ばすことができるのでしょうか?今回はその秘密を探っていくことにしました。

 

また、マキロイの左踵の動きに注目し、私の体重移動に関しての考えを、以下の記事にまとめております。マキロイの体重移動は、腰をスライドさせるというよりも、上半身を左足方向へ倒す動き。いまいちピンとこないかもしれませんが、やってみればこちらのほうがはるかに楽であることに気づくはずです。

#4 マキロイの左踵に注目!これができればあなたも手打ちから脱却できる!(馬ウマ天国:延長戦)
【前回(#3)までのあらすじ】左サイドリードのヒントはダスティン・ジョンソンとマキロイにあり、そう話すパンゴルであった。ダスティン・ジョンソンのフォワードプレスは、単に始動のきっかけづくりだけではなく、手元を左サイドにキープする効果があり、そして、マキロイに関しては、切り返しからの左踵の動きが鍵になる。左への体重移動ができれば、マキロイのような左踵の動きになることを突き止めた後輩Aであるが、実は、難しいのは、体重移動そのものではなく、そのタイミングであるとパンゴルは言う。焼酎のボトルは残り僅か。飲み切るまでに、この謎を解くことができるのか?場所は居酒屋「馬ウマ天国」である。
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まとめ

もちろん、並進移動が自分の目指すスイングイメージと合わないのであればやる必要もありませんが、原理的にも優位となることがわかっている動きを自分のスイングに取り入れないのは非常にもったいないことです。

機会があれば、チャレンジしてみましょう!

参考書籍