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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【スイング探究】フライングエルボーの是非を考える

スイング探究

ゴルフスイングにおいて、悪い見本とされているフライングエルボー。

しかしながら、最近登場したGGスイングやAスイングでは、肯定された動きであると見受けられます。

実際に、2019年の3Mオープンで優勝したマシュー・ウルフはとんでもないフライングエルボーの使い手。

米PGAツアーで優勝できるくらいですから、一概に悪だとは言い切れません。

ぶっちゃけ、フライングエルボーってどうなの?と思っている方、今回の記事を是非とも参考にしてください。

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フライングエルボーとは?

トップで右脇(右打ちの場合)が開くのがフライングエルボー。

しかしながら、誰しもトップでは少なからず右脇は開いていますから、フライングエルボーであるか否かの判断は、飛球線後方から見た時の右前腕の角度、もしくは肘の向きで下されると思います。

飛球線後方から見て、右前腕が体の前面側に倒れており、かつ右肘が飛球線後方を向いていればフライングエルボーと言って間違いないはず。

一般的なスイングでは、トップにおける右前腕は垂直もしくは後方に倒れた状態であり、そのときの肘の向きは、地面を指しているはずです。

また、フライングエルボーの方は、トップでシャフトクロスになりがち。これもある意味、フライングエルボーの特徴であると言えるでしょう。

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フライングエルボーの是非

フライングエルボーが推奨されない理由は、スイングが複雑(大袈裟)になるからではないでしょうか。

どのみち、右脇はダウンスイングで閉じられることになるわけですから、その分スイング中のアクションが人より多く入ることになります。

スイングをできるだけシンプルにしたい人は、フライングエルボーは避けるべきでしょう。

Matthew Wolff's 2019 swing analysis

ここでマシュー・ウルフのスイングを見ていただきましたが、トップで開いた右脇は、ダウンスイングにかけて急速に閉じていきます。

この動きができればフライングエルボーでも問題ないと思われますが、特殊な訓練を受けない限り、普通の人はこうならないと思われますから、やはり避けるべきではないでしょうか。

 

田村尚之

続いては、田村尚之プロのスイングです。

田村プロもマシュー・ウルフと同じく、ダウンスイングで右脇が閉まります。

ただ、ご本人はスイング中ずっと、フェース面がボールを向いた状態をキープするよう意識されているとのこと。(フェースを終始シャットに使うことと同義)

そうであれば本来、右脇は締まるはずもありませんが、実際には閉まっているから不思議です。

田村プロの「主観的イメージ」がそう言わせたのでしょうが、ここで考えなければいけないのは、フライングエルボーの人も、そうでない人も、どちらもダウンスイングでは右脇を閉めるという事実が確認できたことにあります。

 

つまり、どうせ右脇は閉めることになるのですから、「わざわざフライングエルボーにする必要性は感じられない。治せるのであれば治したほうが、スイングが複雑(大袈裟)にならないで済む」と言えるでしょう。

しかし、既にフライングエルボーからの切り返しのタイミングが体に染み付いているのであれば、無理に治す必要はないと思われ、その場合は、スイングの複雑性を受け入れた見返りとして、トルク増大のメリットを享受できる可能性がでてきます。

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フライングエルボーのメリット

フライングエルボーにはデメリットだけでなく、メリットもあると考えています。

それが、シャフト軸周りのローリング(回転)による、トルクの増大効果です。

 

野球のバッターがボールを打つときのことを想像してください。

程度の差はあれど、バッターは通常、バットを立てて構えています。

そこから、ボールを打つ動作に移るのですが、このとき、立てられていたバットは、一旦寝る動きを見せます。

その後、ボールめがけて振り抜かれていくわけですが、このバットを寝かせる動き、これがバット軸周りのローリングに効いてくるらしいのです。

(バットには、ピッチャーに向かってトップスピンの回転がかかることになりますので、ボールにはそれとは逆のバックスピンがかかることになります)

 

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これと同じ理屈で、ゴルフの場合はクラブがL字型をしていますから、ローリングがそのままシャフト軸周りのトルクに変換されるのです。

この効果により、飛距離アップが望めるようになるわけですが、その反面、シャフト軸周りのトルクが増大すると言うことは、フェースが返りやすくなるということも意味しています。

場合によっては、引っ掛けを誘発してしまうことにもなりかねませんから、その点は注意が必要です。

【スイング探究】フェースローテーション・シャロー・飛距離にお悩みの方必見! ~ローリングに隠された秘密~
野球関連の本で、"ローリング"という言葉を見つけました。なんでも、バット長軸周りの回転をローリングと呼ぶのだとか。それをゴルフに適用すれば、シャフト軸周りの回転となります。ゴルフクラブはL字型ですから、とどのつまり、ローリングはフェースローテーションに大きく寄与するということです。なるほど、これまで腕の旋回運動がフェースローテーションの源だと思っていましたが、その実体はローリングにある。そう考えれば、プロや上級者の言う「フェースを返す意識は持っていない」だとか「フェースターンを抑えて振っている」という言葉の意味が理解できます。

フライングエルボーを治したい人へ

最近、フライングエルボーの治療は、案外簡単なんじゃないかなと思うようになりました。

というのも、冒頭で、「フライングエルボーの人の右肘は、飛球線後方を向いているが、普通のスイングの人の右肘は地面を向いている」と書いた通り、テイクバックからバックスイングにおける肘の向きに注目しておけば、防げる可能性が高いのです。

ベン・ホーガンは「モダン・ゴルフ」の中で、「アドレス時、両肘は腰骨を指すこと」と述べていますが、これを真似するだけで、ほとんどの人が治るはずです。

イメージが湧かない人は、バレーボールのレシーブを参考にするといいかもしれません。

とにかく、この形をキープして、両手が体の正面から外れないようテイクバックすれば、フライングエルボーにはなり得ませんから、一度お試しいただきたいと思います。

スイングが、よりシンプルになること請け合いです。

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まとめ

テイクバックで、フェースをシャットに使うことを推奨されるプロもいらっしゃいますが、それをやりすぎるとフライングエルボーになってしまう可能性が高まってしまいますのでご注意ください。(田村プロの動画を参照のこと)

ここで述べたとおり、フライングエルボーは、一概に悪とは言えませんが、スイングが複雑化する、もしくは大袈裟になってしまいますので、治せるものなら早めに治しておくほうが賢明であると思えます。

その場合は、アドレス時点から、両肘の向きに気を配ること。

たまには、ベンホーガン先生の教えに従ってみるのがいいかもしれません。