新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

#9 アドレスで右手が空を向くのは、右肘のセットの仕方に秘密がある?!(打ってけ泥棒:その1)

ゴルフメカ談議
ジムで汗を流していたとある週末の日曜日、パンゴルのスマホに後輩AからLINEメッセージが届いた。「今から練習場に行くんですけど、一緒にどうですか?」。パンゴルは反射的に、猪木のスタンプ「行くぞー!」を送信しそうになったが、考えてみれば今日はジムまで自転車で来ているし、クラブを取りに帰るのも面倒くさい。「今ジムだから、帰りに様子を見に行くよ。見学させてもらうわ」そう返信してパンゴルは、締めのアームカールを3セットこなした後、練習場に向かったのであった。時間無制限・打ち放題練習場「打ってけ泥棒」にて。

 

パンゴル
パンゴル

(んっ?あれかな?)

[後輩Aは、パコーン、パコーンと、一心不乱にボールを打っている]

 

パンゴル
パンゴル

お疲れさん。

後輩A
後輩A

あっ、お疲れさんです。

パンゴル
パンゴル

何球くらい打った?

後輩A
後輩A

20球くらいじゃないかと。丁度体があったまってきたところですね。

パンゴル
パンゴル

ふーん、そっか。

俺はこの席に座って見てるから、気にせず練習してな。

後輩A
後輩A

あいよ。進化した俺のスイングをお披露目しますよ!

パンゴル
パンゴル

うん、期待しとるぞ。

 

ところで、缶コーヒーでも飲む?業務スーパーで買ったYONGARIAの29円(税別)コーヒーがあるんだけど。

後輩A
後輩A

あざーす。しかし29円ってクソ安いっすね。

パンゴル
パンゴル

見つけた時は俺もびびった。普段缶コーヒー飲まないんだけど、思わず衝動買いしてもうた。

後輩A
後輩A

[プシッ]

あっ、案外いける・・・

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パンゴル
パンゴル

なかなかいいね。野球やってただけあって、体全体の使い方がスムーズだ。

後輩A
後輩A

でしょ。以前居酒屋(#1)で話を聞いてから、左サイドリードを意識していますから。やっぱこっちのほうが、体重移動との相性もよくて、自然にスイングできるような気がします。

パンゴル
パンゴル

そやね。手元がここに来たら腕を返すとか、そんなことやってたら、どんどん本能的なスイングから離れていってしまう。

 

”頭で考える自分”と”本能で動く自分”、2人の自分が体の中にいるとしたら、後者に任せたほうが、結果的にスコアも良くなるはずだぞ。「新インナーゴルフ」って本にそう書いてあった。

【GiS的多読】新インナーゴルフ:W・T・ガルウェイ
1970年代半ば、インナー・ゲームなるものが、本書の著者W・T・ガルウェイ氏によって提唱された。インナー・ゲームとは、雑念を排除し、真の集中状態に自分をセットするにはどうしたらいいのかを、これまでの価値観やスポーツ観とは全く異なった視点から呈示する実践的・実際的な発想法である。

 

後輩A
後輩A

その割にはパンゴルさん、理屈こねまくりですよね。

パンゴル
パンゴル

うん、確かにそうなんだけど、本能に任せるのは主にラウンド中の話だと俺は解釈している。何も考えずに闇雲に練習しても上手くならないのは自分も経験済みだろ?

 

それに、頭で考えて上手くならないのは、スイングの教えが、主観に頼り過ぎていたり、逆に客観を重視し過ぎたりした結果だ。

 

最近は、客観こそが科学だという風潮があるけど、おれに言わせれば、それも考えが浅はか過ぎる。例えば、インパクトでクラブフェースが返る現象に着目したとして、そこだけを切り取って理論を組み立ててしまえば、腕を能動的にローテーションしてフェースを返すって考え方も正しくなってしまうのだから。

 

実際には左手の掌屈や軸周りのローリング、ジャイロ効果など、様々な要素が噛み合って自然とフェースターンが成立するってのが正しいはずだ。

【スイング探究】スライスにお悩みの方やフェースが返らない人は、バウドリストをお試しあれ
バウドリストの英語表記は "Bowed Wrist"。弓のように曲がった手首という意味ですが、ゴルフにおけるそれは、トップで左手が掌屈した状態を指します。このバウドリストが顕著なプロゴルファーとして、真っ先に思い浮かぶのがダスティン・ジョンソン。その他、ジョン・ラームや渋野日向子もバウドリストの使い手とのことです。個人的には、特段真似する理由もないのかなと思うのですが、スライサーの方やヘッドの返りを感じられない方にとっては、福音となる可能性を秘めていますので侮ってはいけません。というのも、バウドリストには、フェースローテーションを促す効果があると考えられるためです。
【スイング探究】フェースローテーション・シャロー・飛距離にお悩みの方必見! ~ローリングに隠された秘密~
野球関連の本で、"ローリング"という言葉を見つけました。なんでも、バット長軸周りの回転をローリングと呼ぶのだとか。それをゴルフに適用すれば、シャフト軸周りの回転となります。ゴルフクラブはL字型ですから、とどのつまり、ローリングはフェースローテーションに大きく寄与するということです。なるほど、これまで腕の旋回運動がフェースローテーションの源だと思っていましたが、その実体はローリングにある。そう考えれば、プロや上級者の言う「フェースを返す意識は持っていない」だとか「フェースターンを抑えて振っている」という言葉の意味が理解できます。
【スイング探究】シャローイングが、スイングにキレを生む ~ジャイロ効果によって生じる右手の回内運動~
昨今、何かと話題のシャローイングですが、その一番のメリットは「スピン量の低減」にあると思います。これにより飛距離アップに期待ができるわけですが、しかしながら、シャローイングの効果はこれだけではありません。スイングにキレを生み出す効果もあるのです。ここでいう「キレ」とは、スパッと振り抜かれるヘッドの走り。これは、シャローイングを行うことで自動的に引き起こされるジャイロ効果のおかげです。地球ゴマが倒れそうで倒れないのはジャイロ効果のおかげ、良いピッチャーの投げる球にキレがあるのもジャイロ効果のおかげ、そしてスパンと振り向かれるクラブヘッドもジャイロ効果のおかげなのです。

 

後輩A
後輩A

うむ。

 

(・・・・しかしながら今俺は練習場に球を打ちに来ているのだ。ここで色々小難しいこと言われても頭には入ってこない。もう少し、静かにしてもらえないだろうか、パンゴルよ!)

パンゴル
パンゴル

んっ?

何か顔に「うるさい」とか「面倒くさい」って文字が書いてあったんだけど?

後輩A
後輩A

いやいや、んなことありませんって!

 

ここは時間制限なし、打ち放題の練習場ですから、今日は身体がぶっ壊れるまで打ち込みます!

パンゴル
パンゴル

・・・・あんまり無理せんようにね。

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パンゴル
パンゴル

アドレスしたときの右手が空向いてるけど、それってわざと?それとも自然にそうなった?

後輩A
後輩A

どちらかと言えば、自然にこうなりましたね。こうしないとバックスイングが気持ち悪いですし、それに球のつかまりがよくなる気がします。

パンゴル
パンゴル

ふむ。ちなみに、自分の中での理想のトップの形ってどんなの?

後輩A
後輩A

そうですねー。言葉では何とも表現が難しいですが、タイガーとかマキロイですかね。

パンゴル
パンゴル

なるほどわかった。

 

ちなみに、「右手が空」のアドレスが悪いって言いたいわけじゃなくて、そういうプロもいっぱいいるから、それが自分に合ってるならそのままでいいと思う。

 

ただ、なんで右手が空を向くようになったのか、その理由は一度考えてみたほうがいい。

後輩A
後輩A

はい。

パンゴル
パンゴル

まず、タイガーとかマキロイのトップの形を想像してみようか。アングルは飛球線後方だとして、どうなってる?

 

後輩A
後輩A

簡単す。イージー、イージー。

 

肩のラインとクラブのシャフト、そしてフェースに至るまで、きれいにピシーッと揃っている、そんな感じです。

パンゴル
パンゴル

おーっ、俺のイメージとぴったり。

 

そうだね、見ていて清々しいくらいに揃っている。この時の右手の状態を日本語で表現するなら、「出前持ち」だ。

後輩A
後輩A

ヒューッ、一気に和風テイスト。

パンゴル
パンゴル

ここで考えて見ようか。

 

「右手が空」のアドレスから「出前持ち」のトップにしたときの右手の回外量と、通常の「右手が前(飛球線方向)」のアドレスから「出前持ち」のトップにしたときの右手の回外量はどちらが大きくなるでしょうか?

後輩A
後輩A

今日の質問は簡単ですね。そんなの後者に決まってるでしょ。

イージー、イージー!

パンゴル
パンゴル

ということは、もしかすると「右手が前」のほうが、トルクが働いて飛ばしに有利になるかもしれない。でもお前は「右手が空」の状態でアドレスしている。

 

飛距離との関係について考えてみたことあるか?

後輩A
後輩A

うっ、それはなかった。

 

俺はただ、気持ちよくスイングできることだけを考えてました。アドレスで「右手が空」の状態だと手のひらの向きを変えなくて済むんですから「出前持ち」を作るのが楽なんですよ。

パンゴル
パンゴル

まあ、飛距離の話は想像の範囲だから、実際にどうなるかわからないけど、理屈で考えればそういうこともあるかなーって話。

 

「右手が空」で飛ばし屋のプロもいるから、まあいいんじゃないかな。

後輩A
後輩A

そうっすよね。いいんですよ。スイングは人それぞれ。個性を尊重しましょう!

パンゴル
パンゴル

ただそうなると、「右手が空」の理由が、単に気持ちよく振りたい、楽したいってことになるから、なんだか気持ち悪いんだな。それを許してしまったら、何でもありになってしまうし。

後輩A
後輩A

むぐっ、じゃあどうすればいいですかー!

パンゴル
パンゴル

こればっかりは、「右手が前」のアドレスを試してみて、どうしても自分に合わなかったらやめるって作戦をとるしかない。

後輩A
後輩A

まあ、そうでしょうね。

パンゴル
パンゴル

そこでだ。「右手が前」を実現するのにあたって、この教えが役に立つことに気づいた。

 

アドレスで「両腕はバレーボールのレシーブのようにセットする」って聞いたことないか?

後輩A
後輩A

あるような、ないような。

パンゴル
パンゴル

まあいい。

 

俺は聞いたことあったから試してみたんだけど、これをすると「出前持ち」が非常に作りやすいことに気づいたんだ。

 

特に右肘。右肘の表側を正面に向けるといい。エルボードロップで使うとんがったほうじゃなくて、スタン・ハンセンがラリアットする側だ。

 

ちなみに言うと、左腕はあまり気にしなくていいみたい。その理由は後で話す。

後輩A
後輩A

(例えがウザくて)リアクションに困るんですけど、まあわかりました。

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パンゴル
パンゴル

渋野日向子の肘の向きが参考になると思うぞ。

後輩A
後輩A

うーん、ハンドダウンのイメージしかない。

パンゴル
パンゴル

ハンドダウンは関係ない。あくまでも肘の向きだ。

 

最初は窮屈な感じがして違和感あると思うけど・・・ちょっと構えてみ?

後輩A
後輩A

はい。

 

えーと、つまりは右肘の向きだけに気をつければいいってことだな。

 

正面向けて、こんな感じでどうですか?

パンゴル
パンゴル

ついでに、ちょっとだけハンドファーストに構えてみて。そのとき、右手の中指と薬指をグリップに密着させる感じ。右肘が正面向いてたら、できるはずだから。

 

全てが整ったら、ゆっくりでいいから素振りしてみよう。

後輩A
後輩A

なんか窮屈。だけど、楽に「出前持ち」ができるような気がします。

パンゴル
パンゴル

だよね。続いては、右肘の位置は絶対に動かさないという意識で、体でテークバックするんだ。なんというか、右肘を支点としてトップを作る感じかな。

後輩A
後輩A

うおー、なんかクラブがスイスイ上がって、右手も楽に回外する感じがわかります。

パンゴル
パンゴル

だろ?

 

こうすると「右手が前」でも「出前持ち」の形が作りやすい。つまり、「右手が空」になってしまうのは、右肘の向きにその理由があったと考えられるわけだ。

 

さらに、右手の中指と薬指も密着したままの感じが得られるから、ますます都合がいい。

 

もちろん個人差があって、みんながみんなうまくいくとは思わないけど、もし自分に合わなければ、「右手が空」に戻せばいいじゃないかな。

後輩A
後輩A

なるほどね。わかりました。ちょっと打ってみます。

 

自分に合わなかったらもとに戻せばいいと考えれば気が楽ですわ。

パンゴル
パンゴル

そうだな。

 

理由がわかっていれば後からどうにでも修正できるからな。

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