新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

#8 遠心力では飛ばせない! ~スイングのドロ沼に入りこまない考え方~(魚ぎょぎょ:後編)

ゴルフメカ談議
【前回(#7)までのあらすじ】とどのつまり「力学的に間違った知識が、とんでもゴルフ理論を生みだす」と言いたいのだろう。後輩Aは、パンゴルのうんちく話を聞きながらそう思った。インパクトで手元を止めて得られる効果は、半ば強制的なヘッドターンによるスライスの矯正にあり、ヘッドスピードのアップには繋がらないということは、後輩Aにも理解できた。これまで強引なアームローテーションを使ってスイングしてきた後輩Aにとっては耳の痛い話だが、なんとなく筋が通ってるみたいだから、もう少しパンゴルの話を聞いてみようと思ったのである。これから遠心力について話をするとパンゴルは言う。今度はどんな毒を吐くつもりなのだろうか。海鮮居酒屋「魚ぎょぎょ」にて。
パンゴル
パンゴル

やっぱ魚には日本酒だな。ビールだと単純に腹が膨れるし、焼酎は強すぎる。素材の味が逆に引き立つような、そんな日本酒が俺は好みだ。

後輩A
後輩A

同感です。俺も鮨屋にちょくちょく通うようになって日本酒が好きになりました。

パンゴル
パンゴル

最近は、白ワインを出すところもあるみたいだな。この前、鮨と一緒に飲んでみたけど、なかなかのマリアージュだったぞ。

後輩A
後輩A

マリアージュって。気取ってますね。

パンゴル
パンゴル

そう言えば、聞いたところによると、バブルのころは滅茶苦茶で、なんか高級鮨屋でもウイスキーを出していたとか。これはさすがに俺の辞書には載っていなかった。いくらなんでもハードボイルド過ぎる。

後輩A
後輩A

ウイスキーですか!うーん、ないない。どんな人が飲んでいたんですかね?

パンゴル
パンゴル

ハードボイルドと言えばやっぱり「まだまだ物足りないぜ!」のあの先生。もしかするともしかする。

後輩A
後輩A

パンゴルさん、なんだかんだ言って北方先生のこと大好きですよね?

パンゴル
パンゴル

うん、好き。俺は根っからのホットドッグプレス派で、「試みの地平線」は毎回楽しみにしていた。強引過ぎるところがたまらない。

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パンゴル
パンゴル

ところでこれから遠心力の話をするんだけど、小学校のときに誰もがやったことのある実験。バケツに水入れて、ぐるぐる回すやつ。覚えてる?

後輩A
後輩A

もちろん。水を入れすぎると危険なやつですよね。ドバーッてなる。

パンゴル
パンゴル

よろしい。では、そのとき遠心力の方向って考えてみたりした?

後輩A
後輩A

いや、特別には。こうやって水がこぼれないのが遠心力ってやつか、くらいにしか考えていなかったと思います。

パンゴル
パンゴル

そうだよね。手元を止めるなの話(#7)のときも言ったけど、遠心力は慣性力の一種でみかけの力なんだ。バスが急ブレーキすると体が吹っ飛ぶ理屈と一緒だな。

 

遠心力は知っての通り、回転運動において発生する力だから、さっきは急ブレーキや急加速を例にしたたけど、今度は急ハンドルを切ったときのことを考えればいい。想像しただけで、体は吹っ飛ぶことがわかるだろ。

後輩A
後輩A

はい。その辺はしっかりと。

パンゴル
パンゴル

んで、問題はその遠心力の方向にある。ゴルフスイングで「遠心力で飛ばせ」なんて言葉がよく使われるけど、遠心力の方向を知ればそれが嘘だとわかる。さっきも見せた、ニュートン別冊のこの図見てみ?

 

後輩A
後輩A

黄色い矢印が遠心力の向きになってますね。車の進行方向、そして軌道に対して直交しています。

パンゴル
パンゴル

そうなんだよ。軌道に対して直交しているんだ。すなわち、車の進行方向へ働いていないから、遠心力が車を加速させるようなことは起こらないわけだ。

後輩A
後輩A

そりゃそうでしょうよ。この場合、普通に考えて車を横滑りさせる方向に働きます。つまり、遠心力が大きすぎるとレーンから飛び出してしまう。

パンゴル
パンゴル

だよな。でもなぜか知らないけど、ゴルフスイングでは「遠心力で飛ばす!」なんて言葉がよく使われている。これはすなわち、ヘッドを加速させるという意味で使われているように思うんだ。

後輩A
後輩A

確かにそういう意味で使われていそうですね。

パンゴル
パンゴル

うん。もし、ゴルフで「遠心力で飛ばす」ことができるのなら、車の運転でも「遠心力で速く走る」ことができないとおかしい。しかし現実は、「遠心力で速く走る」なんてできない。遠心力MAXでカーブに突入したら、対向車と正面衝突するか、崖下に転落するのが関の山だ。

後輩A
後輩A

うんうん、彼女を助手席に乗せて、かっこいいとこ見せようと思ったやつが、崖下に転落したって話、聞いたことがある。

パンゴル
パンゴル

俺も何度かヒヤッとしたことがあるから、人のことは言えないけどそういうこと。つまり、遠心力をコントロールできなかったから、そいつは崖下に転落してしまったわけだ。

 

すなわち、ゴルフスイングにおいても、遠心力はコントロールされるべき力であって、飛ばすために利用する力ではないのであーる。

後輩A
後輩A

なるほど、賛成!

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パンゴル
パンゴル

ということで、「遠心力で飛ばす」なんて言葉は忘れちまえ。これからは、いかにして「遠心力をコントロール」するかを考えるべきだ。

後輩A
後輩A

異存なし!

しかし、どうやってコントロールするのか・・そこがいまいち見えてきません。

パンゴル
パンゴル

うん、結論から言うと、何も特別なことはする必要はない。

逆に言えば、間違った理論を見極めて、それをやらなければそれでいい。

後輩A
後輩A

例えば?

パンゴル
パンゴル

そうだな、能動的に遠心力を大きくするような動作はやらないってことだ。

さっき話に出した手打ち王子が推奨するキャスティングとか。

後輩A
後輩A

キャスティングですか。そういえば手打ち王子はキャスティングを推奨していましたね。

パンゴル
パンゴル

まず言えるのは、キャスティングすると、ダウンスイングの初期の初期から、遠心力が大きくなりすぎてしまう。

 

慣性モーメントが大きくなってヘッドスピードが上がらなくなるってこともあるけど、今回その話は置いといて、遠心力に限って話をするぞ。

 

わかりやすく言えば、アクセルベタ踏みでカーブに突入するのと同じってこと。

後輩A
後輩A

アクセルベタ踏み?

逆にわかりにくい・・・・

パンゴル
パンゴル

そうか。であれば、遠心力の公式を見てみよう。遠心力の公式は、質量×半径×角速度の自乗だから、ゴルフで例えるとこうなる。

 

遠心力=クラブ重量×スイングアークの大きさ(回転半径)×回転速度の自乗

 

つまり、キャスティングは回転半径を大きくしてしまうことになるから、遠心力が不必要に大きくなってしまうんだな。

後輩A
後輩A

なるほど。ダウンスイングの早い段階で遠心力が大きくなってしまい、それが原因で本来の正しいスイング軌道から外れやすくなってしまう。

 

スイング軌道から外れるとは言っても、遠心力の作用で外側に向かって外れることになるわけだから、ダフリやすくなってしまうわけですね。

 

これを車の運転に例えると、本来の走行レーンから飛び出しての崖下転落になる。つまり、アクセルベタ踏み状態と一緒ってことになるわけだ。

パンゴル
パンゴル

そうそう。しかも、キャスティングすると、早い段階から右手しか使えなくなる。つまりクラブを押すようなスイングになってしまうのだよ。こうなると、ハンドファーストは難しいよな。

後輩A
後輩A

おー。なんか馬ウマ天国で飲んだときに話した(#1)左サイドリードとつながった気がするぞ。

パンゴル
パンゴル

気付いてくれたか。そうなんだよ。だから、特別変なことはしないで、素直に左サイドリードをしておけばいいんだ。

 

「間違った理論を見極めて、それをやらなければそれでいい」って言った意味、わかってくれた?

後輩A
後輩A

わかりました!やっとすっきりしてきました。

パンゴル
パンゴル

ちなみに言っとくと、アイアンよりドライバーの方が長い分、遠心力が大きくなるっていう人もいるようだけど、さっき言った遠心力の公式に当てはめれば、そうとも言えない。

 

質量x半径x角速度の自乗が遠心力。ドライバーは質量が軽くなるから、以前計算したときは(角速度を同じにした場合)、ドライバーの方がアイアンより小さくなった。

 

ようするに、レッスンプロなんてのは適当なんだよ。適当にそれなりのことを言ってるに過ぎない。それで金稼いでんだからいい商売だ。こりゃあ、「ソー〇に行け」の北方先生もびっくりだわ。

後輩A
後輩A

ここで北方先生を出してきたか・・・

 

ちなみに、キャスティングがダメなことはわかりました。でも結局どうすべきなのか。何かコツというか、そういうのありますか?

パンゴル
パンゴル

そうだなー、コツというか、やっぱりゴルフスイングの基本原理に立ち返って考えてみると良いと思うぞ。

後輩A
後輩A

基本原理ねー。もしかして、パットの話(#5)をしたとき言ってた二重振り子のことですか?

【スイング探究】二重振り子は、ゴルフスイングの根本原理
ゴルフのスイング解説で度々耳にする二重振り子。二重振り子スイングを体得すると、どうなるのでしょうか。「ヘッドスピードが上がり、飛距離が伸びる」「プロのようにやわらかく、しなやかな「ムチ動作」になる」「その他、すべてが良くなる」3つ目は何やら怪しいですが、まんざら嘘でもありません。二重振り子はゴルフスイングの根本原理なのですから。

 

パンゴル
パンゴル

イエス。まあ、昨日の話だから、覚えていて当然なんだけど、二重振り子における第二の関節、つまり手首の関節に発生するトルクの大きさは、腕とクラブの成す角度で決定される。いわゆる、外積ってやつだ。この外積が大きいほど、トルクは大きくなるから、単純に外積が大きくなるようなスイングをすればいい。

後輩A
後輩A

外積・・・ちょっと何言ってるかわかんないんですけど。

パンゴル
パンゴル

何も難しく考える必要はない。外積の大きさは腕とクラブで構成される平行四辺形の面積であらわされる。単純に、面積が大きいほど有利になるってことだ。

 

これはもう直感的に考えてくれ。この面積が一番大きくなる角度は何度でしょうか?

後輩A
後輩A

90度!

イージー、イージー!

パンゴル
パンゴル

ピンポーン!

 

だから君は、切り返しにおいて、腕とクラブが90度になるようなダウンスイングをするだけでいい。

 

そうすれば、自動的に遠心力も適切なものにコントロールされることになるはずだから。

後輩A
後輩A

おほっ、今回はマジ納得できました。あざーす。

奇をてらったスイング理論には落とし穴がいっぱい、そういう感じかな。

パンゴル
パンゴル

まあ、中には役立つものもあると思うけど、結局は先人達からの言い伝えや教えに落ち着くことが多いような気がするね。

後輩A
後輩A

なるほど。ゲーテも言ってましたね。自分で一から試し創造するのは時間の無駄だって。

 

過去の積み重ねがあって現在があるのだから、それを尊重するのが保守の態度。あまりに革新的なゴルフ理論は、疑ってかかる必要があるみたいですね。

パンゴル
パンゴル

異議なし!

 

結局のところ遠心力ってやつは、「スイング軌道と直交する方向に働くので、飛ばしに直接関与するとは考えにくい」、そして「腕とクラブが約90度の適切なタメができていれば、自動的に適切な大きさにコントロールされるはず」だと言える。

 

さらに言っておけば、遠心力は向心力と一心同体。回転中心に向かう向心力と大きさは同じだけど、向きが反対の力なんだ。このバランスが崩れれば、カーブで横滑りする車同様、スイングが安定しなくなる。

 

そう考えると、遠心力(≒向心力)には「ゴルフスイングの軌道を安定させる役割がある」と解釈することができるね。

 

すなわち、遠心力とはゴルフスイングにおける「ビルト・イン・スタビライザー!」なのである。日本語にすると「システム組込型自動安定装置」だ。

 

どやっ!

後輩A
後輩A

「ビルト・イン・スタビライザー」か、なんかかっこいいですね。

 

しかし、そのどや顔、すげーイラっとするんですけど。

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パンゴル
パンゴル

それにしても、ニュートン別冊は面白いわ。

後輩A
後輩A

俺もなんだか興味がわいてきました。その本貸してください。

パンゴル
パンゴル

いいよ。その前に、国際宇宙ステーション(ISS)の話していいか?

後輩A
後輩A

はい。

パンゴル
パンゴル

この本に載ってたんだけど、ISSの周回軌道は地表から約400km。これは俺も知っていた。

後輩A
後輩A

ふむふむ。

パンゴル
パンゴル

だから、地球の半径6400kmから見れば、スケール的に、たかが400kmって話になる。これはつまり、十分に地球の重力が作用するくらいの距離しか離れていないってことなんだ。

 

でも、ISSから送られてくる映像は、人も物もぷかぷかと浮かぶ無重力状態だろ?何で無重力になるとおもう?

後輩A
後輩A

えーーー、そうなんですか!!!

 

・・・じ、実はYoutubeで見たんですけど、、、へ、変なやつだと思わないでくださいね。

 

その動画によれば、「人類は宇宙などには行けていない。ISSの映像は、NASAが捏造したものだ」って言ってました。

 

まさか、本当だったなんて!!!

なんという陰謀論、あやうくNASAに騙されるところでしたよ!

パンゴル
パンゴル

ぶっ、ぶわっはっはっは!

 

違う違う!無重力になる正体は、遠心力。たった今話した遠心力の影響だよ!

ISSは周回軌道をとっているだろ?だから、遠心力が働いて重力と拮抗し、無重力状態になるっつー話をしたかったの。

 

まさか、陰謀論につなげてくるとは。ぶわっはっはっは!

後輩A
後輩A

・・・もっ、猛烈に恥ずかしい!!

 

ということは、アポロ陰謀論も嘘なのか?

あーーーーーーーーっ、穴があったら入りたい。

パンゴル
パンゴル

・・・・いやっ、アポロに関しては、俺は・・・・行ってないと思う。

後輩A
後輩A

えーーーっ!!!アポロの方の陰謀論は本当なんですかね?!

パンゴル
パンゴル

う、うん。今度は俺のことを変な奴だと思うなよ。

 

まず、月までの距離を考えて欲しいんだ。約38万km。これはISSまでの距離の実に950倍に相当する。もうこれだけで、途方もない距離であることがわかる。

 

アポロがこの途方もない距離を移動し、月に到達できたこと自体にびっくりだが、そこから月面に探査機を着陸させ、上陸し、ジープを走らせたり、ゴルフをしたり、さんざん遊びつくした後、月面を離れて月を周回しながら待機している司令船とドッキングし、地球に戻ってきた。

 

しかも、本当か嘘か知らないけど、当時アポロに搭載されていたコンピュータの性能は、ニンテンドー64レベルだったと言われている。

 

さらに、オカルト糾弾の第一人者である大槻教授(物理学者)は、アポロは月に行ったのかと問われた際、明言を避けているし、これまた不可解なのが、俺の大好きなニュートン別冊に、アポロ特集号がないことである。(※ Amazonで調べましたが、見つかりませんでした)

 

科学雑誌の大御所ニュートン。人類の偉大な功績であるアポロ計画を特集しないとはどういうことだ。も、もしかして、嘘だから書けないのか?

 

他にも色々言いたいことあるけど、とにかくあやしい、怪しすぎる。

後輩A
後輩A

・・・・・何なんでしょうこの感覚、なんだか変な気分です。遠心力の話もどこまで本当なのかって・・・・

パンゴル
パンゴル

今日は飲むしかないな。日本酒おかわりしよう。さあ、飲め飲め!

<慣性力(#7, #8):完>

#7 手元を止めたら飛ぶはずがない!(魚ぎょぎょ:前編)
焼肉を食べたその翌日、パンゴルはまたもや後輩Aを晩飯に誘うことにした。いいかげん、他を誘えばいいものの、今日も懲りずに後輩Aである。なぜなら、パンゴルのゴルフ話にうなずき聞いてくれるのは後輩Aしかいないから。そうだ今日は魚を食いに行こう。カ...

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