新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

#19 モダン・ゴルフから学ぶ?!本から得た知識を血肉とする方法(ブルーバード:その2)

ゴルフメカ談議
【前回(#18)までのあらすじ】結局のところ、ゴルフスイングはトレードオフのオンパレードであることを聞かされた後輩A。彼の理想のスイングはマキロイなのだが、スコアによってはデシャンボー式(下半身の使い方)もやむなしと、腹を括らなければいけないときがやってくるのかもしれない・・・そんなことを考えていたときに、ふと、ベン・ホーガンの「モダン・ゴルフ」が脳裏に浮かんだ。「そういやこの前ポチッたやつが届いたんだっけ」そう思いながら何気なく、パンゴルにそのことを告げたところから話は始まる。幸せを運ぶ青い鳥が目印の焼き鳥店「ブルーバード」にて。
後輩A
後輩A

そういや、このまえ練習場でポチッた「モダン・ゴルフ」、届きましたよ。

パンゴル
パンゴル

おっ、案外早かったね。読んだ?

後輩A
後輩A

いや、まだパラパラとしか。

ただ、ガラス板の絵は確認しました。ホーガンのガラス板は急すぎるってやつ。

#15 ホーガンのガラス板は急すぎる?!角度を変えればジャイロ効果も実感できて一石二鳥(打ってけ泥棒:その7)
【前回(#14)までのあらすじ】パンゴルは後輩Aの体力に驚いた。既に250球も打っているのに、まだまだ打ち足りないらしく、今から50球打ち終えるまでは話しかけるなと言うのだ。おそらく今日は調子がいいから、気持ちよくなっているのだろう。さっき...

 

パンゴル
パンゴル

あー、あれね。あの角度、まじで描き直したい。ガラス板の地面側のエッジはボールの先、背骨と直角だ。

 

レッドベターさんが「モダンゴルフ徹底検証」って本出してるんだけど、俺が出すなら、ガラス板の角度を徹底検証する。

後輩A
後輩A

そんな本あるんですか?

パンゴル
パンゴル

うん、あまり知られていないようだけどある。

言うなれば、ホーガンのモダン・ゴルフに物申す!みたいな感じの本だ。

 

でも、調子に乗って物申し過ぎてしまったみたいで、結局、レッドベターのレッスン本に仕上がってしまった。

 

最後には開き直ったのか、「あとがき」に、”レッドベター〇冊目のレッスン本”みたいに書いてあって、おいおいって思ったことを覚えている。

【GiS的多読】モダン・ゴルフ 徹底検証:デビッド・レッドベター
この本は決して、「モダン・ゴルフ」の正当性を評価したものではない。デビッド・レッドベター氏が、「モダン・ゴルフ」を題材として、自身のスイング理論を披露する本だと考えて欲しい。なので、話の展開は終始、「ホーガンはこう言っているが、私(レッドベター)はこう考えている」だったり、「ホーガンはこう言っているが、実際はその通りに彼の体は動いていなかった」だっだりする。もし「モダン・ゴルフ」を手に取るのであれば、レッドベター氏の「モダン・ゴルフ 徹底検証」も一緒に手に取ることをおすすめしたい。ベン・ホーガンのスイング理論を客観的に評価するのに役に立つはずだ。

 

後輩A
後輩A

なるほど。レッドベターさんは本家を踏み台にして、のし上がった感じですかね?

パンゴル
パンゴル

まあ、そこまでの意図はなかったと思うぞ。

 

とはいえ、それで行き着いた先が「Aスイング」だからなあ。どこであーいう風になっちゃったんだろうね。

Aスイングの特徴でもある「Vプレーン」(Aスイング:レッドベター著より引用)
後輩A
後輩A

まさに、マシュー・ウルフ。

パンゴル
パンゴル

でもな、マシュー・ウルフは別にAスイングを参考にしたわけではないらしいんだ。ある記者が、「Aスイングを参考にしたのか?」ってマシューに質問したんだけど、「いや、別に」って答えたらしい。

後輩A
後輩A

あらら、どういうことなんですかね。シンプルにややこしい。

パンゴル
パンゴル

「シンプルにややこしい」って言い方もまたややこしいな。

 

まあそれはいいとして、なんだかレッドベター氏も迷走中のような気がするのは俺だけかな?

 

後輩A
後輩A

・・・レッドベター氏”も”ってどういうことですか?日本語はちゃんと使わないとだめですよ。

パンゴル
パンゴル

あーすまん。”も”って言ったのは、ホーガンも迷走してたんだなーって思ったことがあったから。

 

この前も言ったけど、ホーガンのダウンスイング用のプレーン(下図赤色のプレーン)はインサイドアウトに描かれているだろ?でも、彼の理想の球筋はフェードだった。

 

「ドローのクラブ軌道でフェード打ちとは、これ如何に?」なんて考えていると、ホーガンも、理想と現実のはざまで色々悩んでいたのだなあ、なんて勝手に想像してしまうわけだ。

<モダン・ゴルフ:ベン・ホーガン著より引用>

後輩A
後輩A

ほうほう。

パンゴル
パンゴル

この迷走感はレッドベターの「モダン・ゴルフ徹底検証」にも描かれている。アドレス時の右足つま先の開き具合に関する記述が、モダン・ゴルフ以前に書かれた本の内容と異なっているんだ。

 

実はホーガンは、「モダン・ゴルフ」の前に「パワー・ゴルフ」って本を出していて、その「パワー・ゴルフ」では「アドレスでは、右足つま先を開いて構えるべし」って書いてるくせに、その後の「モダン・ゴルフ」では、「右足は飛球線と直角に構えるべし」なんて書いているわけ。

 

そこで、妄想が得意な俺は、夜寝る前の布団の中で、ホーガンの心が揺れ動くさまを想像しながら、この記述に対する整合性について色々と考えてしまうわけさ。

後輩A
後輩A

おっ、得意のやつが来ましたね。聞かせてもらいましょうか。その妄想ってやつを。

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パンゴル
パンゴル

まず、知っておかないといけないのが、ホーガンはフック病に悩まされていたという事実だ。

後輩A
後輩A

そこは大丈夫。以前、パンゴルさんから聞きましたから。

パンゴル
パンゴル

そこでホーガンは、フェードを打つために試行錯誤を始めるんだけど、肝心のクラブ軌道(ダウンスイングのプレーンの向き)に関しては、さっきの画像にもあるように、インサイドアウトの軌道を示しているんだよ。

後輩A
後輩A

ふむふむ。赤色のガラス板のことですね。

パンゴル
パンゴル

まるで「正しいスイング動作に伴うスイング軌道は、インサイドアウトになる」とでも言いたげで、ある種、固定観念と言ってもいいこのような考え方が、モダン・ゴルフの矛盾を生んでいるように思えてしまう。

 

つまり、ホーガンのスイング理論は、このインサイドアウト軌道を前提として組み立てられていると推測できるわけだ。

後輩A
後輩A

なるほど。

パンゴル
パンゴル

しかし、実際には違った。ホーガンのプレーンは、インサイドアウトではなかったのだ。それは、Dプレーン理論に則って考えれば容易に推測できる。インサイドアウトに振って、ボールを右に曲げるなんてことをやったら、プッシュアウトスライスにしかならないから。

【スイング探究】「新飛球法則・Dプレーン理論」を理解するのが上達への近道!
新飛球法則という名前がついていますので、最近のものと感じるかもしれませんが、Dプレーン理論は、今から20年ほど前の1999年には提唱されていたものです。Wikipediaによると、Dプレーンの"D"は"Describe(描写する、説明する)"を意味するとのこと。これは、Dプレーンを用いることで、どのような球筋となるかをうまく説明できることから名付けられたのでしょう。

 

後輩A
後輩A

確かにそうですね。

パンゴル
パンゴル

だから、本当のところは、ほぼストレート、もしくは若干アウトサイドインの軌道になっていたと思われる。

 

これがホーガン本来のクラブ軌道であり、そう考えると、モダン・ゴルフで述べられている「右足つま先の向きは飛球線と直角」、そして「切り返しは腰から」という教えと辻褄が合ってくるわけだ。

後輩A
後輩A

ほうほう、言わんとすることは何となくわかります。

 

右足つま先の向きは、バックスイングにおける腰の回転を抑制しますから、開いたときに比べると、当然回転角度が小さくなる。それに伴い、背骨の右への回転(上空から見た時)も抑制されるはずですから、インサイドアウトも抑制される、ということでしょうか。

 

以前、練習場で聞いた理屈ですね。(下のリンクを参照ください)

#16 まっすぐな意識を捨てれば、ドローボールは簡単に打てるはず(打ってけ泥棒:その8)
【前回(#15)までのあらすじ】後輩Aは今、気持ちよーく球を打っている。よっぽど調子がいいのだろう。パンゴルの方を全く振り返らなくなった。もう特に話すこともないかなと思っていたのだが、しかしひとつだけ、後輩Aの言った「俺もドローヒッターにな...

 

パンゴル
パンゴル

その通り。

 

だから、右足つま先の向きは、閉じれば腰の回転を抑制する。それと同時に、スイングプレーンの向きをもコントロールするわけだ。

 

そう考えると、スライスに悩んでいる人は、右足つま先を開いてアドレスしたほうがいいし、よく言われる「バックスイングでは右膝を動かすな」なんて教えも無視したほうがいい。簡単な話、右膝を止めると、腰の回転も止まるからね。

 

それじゃあ次、「切り返しは腰から」については?

後輩A
後輩A

これは、ロイマキ風体重移動を実践している俺にとっては簡単ですよ。(下のリンクを参照ください)

 

トップで上半身がクローズな状態を作っても、切り返しを腰から始めてしまったのでは、簡単に体は開きます。それにともなって、スイングプレーンもアウトサイドインになるはずです。

#4 マキロイの左踵に注目!これができればあなたも手打ちから脱却できる!(馬ウマ天国:延長戦)
【前回(#3)までのあらすじ】左サイドリードのヒントはダスティン・ジョンソンとマキロイにあり、そう話すパンゴルであった。ダスティン・ジョンソンのフォワードプレスは、単に始動のきっかけづくりだけではなく、手元を左サイドにキープする効果があり、そして、マキロイに関しては、切り返しからの左踵の動きが鍵になる。左への体重移動ができれば、マキロイのような左踵の動きになることを突き止めた後輩Aであるが、実は、難しいのは、体重移動そのものではなく、そのタイミングであるとパンゴルは言う。焼酎のボトルは残り僅か。飲み切るまでに、この謎を解くことができるのか?場所は居酒屋「馬ウマ天国」である。

 

パンゴル
パンゴル

そうだね。

 

だから、「モダン・ゴルフ」の教え通りにやってしまうと、球のつかまりがわるくなるし、スライス病の人は、もっと症状を悪化させてしまう。「モダン・ゴルフ」は基本的に、フック病に悩む人のための本なんだよ。

 

後輩A
後輩A

なるほどね。

パンゴル
パンゴル

しかし、話はこれで終わらない。

 

レッドベターさんが、ベン・ホーガンの足の開き具合を徹底検証した結果、なんと「ベン・ホーガンは右足つま先を開いて構えている!」という結論に至ったらしいんだ。

 

ベン・ホーガンのつま先の向きが飛球線と直角であれば、「さっきの赤色のスイングプレーンは事実ではなく、主観に頼った勘違いだった」ということにして俺の中では終わりだったんだけど、実際にはスイングプレーンも違えば、つま先の向きも違う。こうなってくるともう、何がなんだかわけがわからなくなってくる。

 

結局のところベン・ホーガンは、インサイドアウトのスイングプレーンを示しながらも、実際にはアウトサイドインの軌道で振っていたことになるし、右足を飛球線と直角にせい!と言っておきながら、自分はちゃっかり爪先を開いてアドレスしていたという、まさに、なんだこりゃ状態だ。

後輩A
後輩A

お、おれ、返品したほうがいいですかね?

パンゴル
パンゴル

いやいや、そう考えるんじゃなくて、これらのことを自分なりに整理してだな、正しいと思われるスイング論を組み立て直せば、それはそれで勉強になる。たとえば、俺が整理するとこうなる。

 

まず、右足つま先の向きについて。

これは結論、開いたほうがよさそうだ。「パワー・ゴルフ」時代のベン・ホーガンを信じよう。そして、不幸中の幸いか、考えを巡らせるうちに、つま先の開き具合で、腰の回転を制御できるという知見を得ることができた。したがって、つま先の向きは、ドローやフェードといった球筋を打ち分けるときに、有効な手段になり得るはずだ。

 

次に、腰からの切り返しについて。

ベン・ホーガンのいう腰からの切り返しは、体を開く方向に作用する。そのため、スライス病の人がこれをやると症状がさらに悪化する恐れがあり要注意。ただし、フック病の人には効果があるだろう。であるからして、スライス病の人はベン・ホーガンを真似するのではなく、マキロイ風体重移動を習得したほうがよさそうだ。

 

こんな感じ。ようするに、教えをそのまま実践するんじゃなくて、考えるための材料にすればいいのさ。

後輩A
後輩A

了解です。

 

とはいえ、材料にするって言っても、パンゴルさんのような暇人なら・・・失礼、マニアな方ならできると思うんですけど、普通の俺みたいな人間はどうすればいいんすかね?

 

材料って言っても、色々な本を読んだりしないといけないわけでしょう。そんなに時間取れないですから。

パンゴル
パンゴル

そうだろうね。

 

それに、ゴルフ本をたくさん読んでも、同じようなことが書いてあったり、単なる「ああしろ、こうしろ」本だったり、なかにはトンデモ科学本もあるからな。

 

俺は100冊以上読んだけど、役に立つと感じた本は10冊に一冊、いや、もっと少ない感じだ。

 

なお、きちんと理屈まで教えてくれて、これをやっときゃ大丈夫ってレベルの本はゼロ。そんなゴルフ本はこの世に存在しないと思う。

 

とはいえ、せっかくだから、次はモダン・ゴルフ以外のおすすめ本について話そうか。

後輩A
後輩A

あざーす。

パンゴル
パンゴル

ただ、都市伝説レベルの本もあることだし、時間を無駄にしないためにも、100冊以上読んで、俺が感じたことを先に話しておくから。知っておいて損はないと思うぞ。

#20へ、つづく>

#20 ゴルフレッスン本を読むときは、似非科学に気をつけろ!(ブルーバード:その3)
【前回(#19)までのあらすじ】古典的名著、ベン・ホーガンのモダン・ゴルフにも矛盾が存在するようだ。その中でも、客観的に見て納得できるのが、スイングプレーンと球筋との関係にある。ベン・ホーガンはフェード系の球筋を好んだと言われるが、実のとこ...

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