新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

#17 ゴルフスイングに正拳突きは役に立つ?!連続写真切り取りの罠(打ってけ泥棒:その9)

ゴルフメカ談議
【前回(#16)までのあらすじ】「背骨を軸に、頭を固定せず、素直なスイングを心掛ければ、それだけでドローが打てる」そんな話を聞いた後輩Aのテンションは上がった。ようするに、飛球線方向へのまっすぐな意識が、彼のスライス病の元凶であったわけだ。「スライスさえ治ればこっちのものよ。もう力をセーブする必要もない」そう思った後輩Aは、Youtubeで見た某プロの動きを試してみた。「正拳突きの要領で右サイドを切り上げて、一気に力を解放するうっ!」それを見ていたパンゴルは苦笑い。意味わかってやってんのか不安になってきたのである。時間無制限・打ち放題練習場「打ってけ泥棒」にて。
パンゴル
パンゴル

また新しいことやり出したな。

後輩A
後輩A

ええ、自分はやってみないと気が済まない性分ですから。

パンゴル
パンゴル

ちなみにその動き、どんな効果を期待してやってるの?

後輩A
後輩A

うまくは言えないですけど、俺の場合は力の解放ですよ。「バーン」とね。

パンゴル
パンゴル

相変わらず「バーン」って言葉、好きだな。

まあやってみるのはいいけど、期待できる効果を知っておかないと、また変なことになるぞ。

後輩A
後輩A

そうですね。とはいえ、スライスがもうそろそろ直りそうなんで、これまでセーブしてきた力を「バーン」と解放させたいんです。コントロール性重視のスイングはチマチマして俺には合わない。やっぱ「バーン」ですよ「バーン!」

パンゴル
パンゴル

うーん、心配になってきた。せめて、上半身の動きの習得のためとか、力を縦に使いたいからとか・・・それくらいは考えてて欲しかったな。

後輩A
後輩A

やってみて初めてわかることもあると思うんです。体験主義ってやつですね。

パンゴル
パンゴル

それが遠回りの原因だってまだわかんないかなー。「やってみないとわからい」ってのは、一度頭の中で考えて、色々なことを想定し、思考実験を繰り返した結果、メリットがあると思われる時に使う言葉だ。

 

いうなればお前のロジックは、毎日走り込めば甲子園で優勝できるっていう、昔ながらの根性論と大差ない。とりあえず、強くなりたければ走っとけ、みたいな。

後輩A
後輩A

は、はあ。

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後輩A
後輩A

んっ、なんかへんだなあ。正拳突きをするとクラブが振りづらい。

パンゴル
パンゴル

・・・・・

後輩A
後輩A

パ、パンゴルさん・・・正拳突きのメリットっていったい何なんですかね?

パンゴル
パンゴル

俺にもよくわからないんだよ。

 

強いて言えば、下半身を使って力を縦に使うことができるようになる、そんなところだろうね。

 

ちなみに、上半身の動きには期待しないほうが良いぞ。そもそも、正拳突きの感覚とゴルフスイングの感覚は全く異なるはずだ。

後輩A
後輩A

俺もそう感じます。なんかギクシャクするだけなんすよね。

パンゴル
パンゴル

だろうね。

 

正拳突きの動きって、その名の通り「突く」動きだろ。ゴルフスイングに「突く」動きってあるか?「振る」動きはあっても、「突く」動きってのはどう考えてもピンとこない。

後輩A
後輩A

ですよね。

パンゴル
パンゴル

他のスポーツや動作における「振る」動きを参考にするならまだわかるんだよ。野球で言えば、バッターの「バットを振る」動き、そしてピッチャーの「腕を振る」動きとか・・・

 

常識的に考えてみ。同じボールを投げるにしても、砲丸投げが野球のピッチングに役立つと思うか?思わないよな。

 

つまり、運動様式が根本的に違うものを技術として取り入れるのは、非常に危険なんだ。こういう問題は昔からあってずっと議論されている。

 

例えば、スピードスケート選手の記録を伸ばすため、トレーナーが100m走をトレーニングに取り入れたとする。できるだけ早くゴールラインに達するという点で言えば、スピードスケートも100m走も同じだし、脚を使うからな。

 

でも力の使い方が根本的に違うから、タイムが全然伸びなかった。

 

しかし、自転車漕ぎを取り入れたらタイムが伸びた。そこで「あれ?自転車とスピードスケートって運動様式が同じなのかもしれない」と気づく。

 

そうして、スピードスケートと自転車の二刀流選手が誕生した。こんな感じかな。

 

ちょっと前に話したフラン・ボッシュ氏の「コンテクスチュアルトレーニング」にも書いてあるぞ。この本ややこしいけど、興味あるなら読んでおくといい。

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後輩A
後輩A

なるほどね。

 

じゃあ、ボクシングのパンチ(ストレート)の動きがスイングに役立つってのも間違いですかね。

パンゴル
パンゴル

俺はそう思うね。ボクシングのパンチがどうゴルフスイングに役立つのか、皆目見当がつかない。砲丸投げには役に立ちそうだけど。でも、砲丸投げの選手もやらないだろう。

 

後輩A
後輩A

では、正拳突きの要領でバックスイングしたときの、右サイドの切り上がりは?あの形はなんか力強く見えて、飛びそうなイメージなんですが。

パンゴル
パンゴル

単なる後付けじゃないか?連続写真を切り取ってみたら、なんか正拳突きと似ていたみたいな。

 

ゴルフスイングは回転運動。最終的な目的は、ゴルフクラブに円運動をさせることであり、すなわち「振る」という動作になる。

 

対して、正拳突きの最終目的は「突き」。いくら体の捻転によって力を生み出すという共通点があったとしても、最終的な目的が違うのだから、細かなところで体の使い方も変わってくるはずだ。

 

もっというと、正拳突きのトップは、捻転してるような気がするだけで、実際は右サイドを引き上げているだけ(右利きの場合)な気がするし、また、腕の使い方もゴルフとは逆。これじゃあ、フライングエルボーを誘発しかねない。

 

ゴルフと正拳突きを対比させるからわかりにくくなるけど、野球のピッチングと砲丸投げとの対比だったらわかりやすいだろうね。こうすると、疑いの目を持つ人が多くなる。

 

ゴルフに正拳突きを適用するのは、ピッチャーに砲丸投げの動作を適用するようなもんだろ。

後輩A
後輩A

なるほどね。そこまで考えて、下半身の動きには役に立つかもって言ったわけですね。

パンゴル
パンゴル

そうそう。

 

しかしながら、わざわざ正拳突きの動きを取り入れて、下半身の動きを習得すべきなのか、そこには大きな疑問が残る。だから、「強いて言えば」なんだよ。もちろん理屈がわかった上での話だけど。

後輩A
後輩A

その理屈っていうのは何ですか?

パンゴル
パンゴル

体の上下動によるジャンプ打法だ(下のリンクを参照ください)。レキシー・トンプソンとか、畑岡奈紗がやるやつ。これをきちんと理解した上で使うってこと。

 

ようするに、ブランコの原理だな。ブランコが振られるのは、重心の上下動によって発生する「コリオリ力」によるものだ。

 

しかし、正拳突き推進派は、右手で突いたときの反動で(?)左肩が上がることに着目しているようで、これでは「コリオリ力」というよりも、物理的にクラブを引き上げる力のために上下動を使うってことになってしまう。

 

しかもやっかいなことに、これってお前がさっきやっていた「テコの原理」にも通じているんだよ。右手を支点、左手を力点にして、テコを効かせるってやつ。左肩が上がるからってのがその理由で、それにつられて左手も引っ張られる。それを利用しろだってさ。

 

何度も言うけど、そんなのできないから。意識すればするほど、当たらなくなるし、体も伸びあがる。ダウンブローなんて夢のまた夢、いったいどうしろって言うの???

【スイング探究】地面反力を利用したジャンプ打法で飛距離もジャンプアップ!
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後輩A
後輩A

わっかりました。落ち着いてください。もうやめます。正拳突きやめますから。

パンゴル
パンゴル

・・・・うん、やらなくていいだろうね。やらなくていいことはやらなければいいだけだから。

 

ただ、ジャンプ打法の理屈を理解した上で、上下動をどうしても利用したいって言うんだったら話は別。それだったら、正拳突きも候補に上がるかもしれない。

 

いわゆる、スタックアンドチルトだな。このタイプの人には合うような気がするね。

 

とはいえ、さっき(#13)言ったように俺は、基本的に「脚は土台」だと考えているから、使わないなら使わなくてもいいと思う。特に、オーソドックスな打ち方をする人は考えなくてもいいんじゃないかな。頭を固定するって考えを取っ払うくらいでちょうどいいと思うぞ。

後輩A
後輩A

ですね。シンプルが一番。スイングを難しくする動きは、極力避けるべきだと思います。

パンゴル
パンゴル

そうだな。

 

まあ、総合的に考えて、やらないほうが良いと俺は思うぞ。なんというか、そもそも運動様式が違う動きを取り入れること自体がNGであって、それをゴルフに適用するなんて考えだしたら、とどのつまり、正拳突きをスイングへ転換する方法を練習しなければならなくなる。これって、意味わからないよな?手段と目的をはき違えている典型例じゃないか?

 

そんなことする時間があったら、スイング自体を練習すればいいのにって思っちゃうんだ。

 

 

しかし、今日はよう喋った。さすがに話し疲れた。帰る。

後輩A
後輩A

いつもどおり、いきなりですね。今日はあざーした。

 

俺、あと100球くらい打ってから帰ります。それで大体500球になると思うんで。

パンゴル
パンゴル

あっ、そうだ、最後に誤解のないように言っておくと、ボクシングとか空手とか、そういう他のスポーツをやっても全く意味がないって言ってるわけじゃなくて、総合的に神経系を発達させるという点では大いに有効だと思う。むしろ、積極的にやるべきだろうね。

 

ということで、お疲れ様。また今度ビールでも飲みながら話そう。

<打ってけ泥棒:完>

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