新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

#16 まっすぐな意識を捨てれば、ドローボールは簡単に打てるはず(打ってけ泥棒:その8)

ゴルフメカ談議
【前回(#15)までのあらすじ】後輩Aは今、気持ちよーく球を打っている。よっぽど調子がいいのだろう。パンゴルの方を全く振り返らなくなった。もう特に話すこともないかなと思っていたのだが、しかしひとつだけ、後輩Aの言った「俺もドローヒッターになれますかね?」という言葉が気にかかる。確かに球筋はドローというよりもフェードだ。それを見ながら「普通に打てばドローになるのになあ」と思うパンゴルであった。時間無制限・打ち放題練習場「打ってけ泥棒」より。
パンゴル
パンゴル

あのー、ちょっと聞いていいか?

後輩A
後輩A

はいはい、なんでしょう?

パンゴル
パンゴル

さっき「俺もドローヒッターになれますかね?」って言ったよな?

後輩A
後輩A

言いました。やっぱ、キレイなドローボールが打ちたいです。俺はスライス・フェード系なんで。

パンゴル
パンゴル

うん、球筋見てればなんとなくわかる。でもその前に、ドローボールって、どんな条件のときに打てるのか、それ理解してる?

後輩A
後輩A

なんとなくですかね。こう、フェースが返って球をつかまえることができた時ですかね。

パンゴル
パンゴル

感覚的なところではそうかもしれないけど、インパクト時のフェースの向きとクラブ軌道で、おおまかな球筋が決まるってことを知っておいたほうが、何かと都合がいいぞ。

 

Dプレーン理論ってやつだ。今自分が打ったボールの打ち出し方向や球筋から、自分のスイングの状態がわかるようにもなる。これ見てみ。

【スイング探究】「新飛球法則・Dプレーン理論」を理解するのが上達への近道!
新飛球法則という名前がついていますので、最近のものと感じるかもしれませんが、Dプレーン理論は、今から20年ほど前の1999年には提唱されていたものです。Wikipediaによると、Dプレーンの"D"は"Describe(描写する、説明する)"を意味するとのこと。これは、Dプレーンを用いることで、どのような球筋となるかをうまく説明できることから名付けられたのでしょう。

 

後輩A
後輩A

ほほー。フェースの向きとクラブ軌道、そしてロフト角によってボールの軸の傾きが決まるわけですね。そして、その軸の傾きの強さが、ボールの曲がり具合に影響すると。ふむふむ、わかりやすいですね。

パンゴル
パンゴル

つまり、Dプレーン理論に則って考えれば、ドローボールを打つときのクラブ軌道はインサイドアウト、フェースの向きは、その軌道に対してクローズってことになる。簡単だろ?

後輩A
後輩A

そ、そうですね、簡単ですね。しかし、言うは易し行うは難し、練習を積むしか方法はないように思います。

パンゴル
パンゴル

うーん、練習も大事だけど、今までこの練習場で話してきたことをそのまま普通にやれば、すぐにドローボールが打てるようになると思うけどなあ。

 

お前の球筋が、スライス・フェード系のままなのは、単純に意識が邪魔しているだけだと思うぞ。もっと言えば、意識と実際がずれているんだよ。

後輩A
後輩A

へー、ということは、意識と実際を合わせれば、すぐにでもドローボールが打てるということですか。ふーん、聞かせてもらいましょうか。

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パンゴル
パンゴル

意識って言っても色々あるんだけど、まず一番大事なのはクラブ軌道に対する意識だな。

 

クラブの軌道はインサイドアウト、この意識は持ってると思うけどどうだろう?

後輩A
後輩A

はい、大丈夫です。ドローを狙う時は、インサイドアウトに振るようにしています。

パンゴル
パンゴル

じゃあ次。ダウンスイングにおける体幹の回転軸の意識、これは?

後輩A
後輩A

そこですか、そこは確かに曖昧かも。なんというか、普通にスイングをする時は気持ちよく体の赴くままに・・・ドロー狙う時は、インサイドアウトに振れるように動かしているというかなんというか・・・

パンゴル
パンゴル

そうか。そこに問題があるのかもしれない。

 

要するに今は、クラブを振り抜く方向に体の回転を合わせているわけであって、体の回転方向にクラブを振り抜いているわけではないってことだ。

後輩A
後輩A

そういわれると、そうかもしれませんね。

パンゴル
パンゴル

この辺は感覚的なところだから、あまり偉そうには言えないけど、多分そこに、意識と実際の差があると思われる。

後輩A
後輩A

はあ、そうなるんでしょうね、実際問題。

パンゴル
パンゴル

解決策はさっき言った通り、クラブじゃなく、体を回す方向をインサイドアウトにするよう意識してみたらいい。つまり、体がクローズな状態でダウンスイングするってことになる。

 

ほれ、さっき(#15)のベン・ホーガンの写真、もう一度見てみ。赤色のダウンスイング用のプレーンがインサイドアウトになっているだろ。このプレーン沿いに体を回す意識を持つんだ。クラブをこのプレーン沿いに振るっていう意識ではなくてな。

<モダン・ゴルフ:ベン・ホーガン著より引用>

 

後輩A
後輩A

なるほどね。でもやっぱり、言うは易し行うは難し、って気がしますが・・・

パンゴル
パンゴル

いや、わざわざこの写真を見せたのは、こっちのほうが簡単だからだよ。

 

まずもって言えば、人間は骨格的にも、なんでもかんでもまっすぐにすることのほうが難しいってことだ。

 

だからベンホーガンは、バックスイング用の黒い板沿いにダウンスイングをすることはできないって言ってるわけだし、実際のプレーンは赤色のようになるって言ってるわけだ。

後輩A
後輩A

そんなもんなんすかね・・・・

パンゴル
パンゴル

そんなもんだ。

 

だって、よく考えてみ。体幹を背骨軸周りに回転させようとすれば、絶対に骨盤も回るんだぞ。その様子を上空から見れば、骨盤は少なくとも30度くらいは回転しているように見えるだろうね。

 

もしゴルフスイングに前傾が入っていなければ、背骨軸はそのままの状態で、体幹を回すことができると思うのだけど、実際には前傾が入っているのだから、骨盤が回転すれば、つられて背骨も一緒に(上空から見て右に回転するように)動くはずだ。これは同時に、頭が右に振られることも意味している。

後輩A
後輩A

ふむふむ。ちなみに頭を動かさないように意識している人もいると思うんですけど、そうするとどうなります?

パンゴル
パンゴル

背骨を湾曲させるしかないね。背中側から背骨を見れば、左に湾曲しているはずだ。

 

だから、無理なく体を動かすことを優先すると、頭は右に動いて当然だし、その結果、トップの捻転は飛球線方向に対してクローズになる。

 

このことは、ベンホーガンが既に示しているじゃないか。さっきの写真の赤いプレーンがその証拠だよ。

後輩A
後輩A

おっ、なるほど、繋がりましたね。

 

ということは、俺の場合、意識の中からまっすぐを取り払って、トップでクローズな捻転を意識すればいいと。そこからクラブもインサイドアウトに振っていく。もちろん、体の回転にクラブ軌道が追従するような意識で。

 

・・・そういうことかー、意識と実際の差って言うのは、つまり、まっすぐの意識が実際を邪魔していたってことになるんだな。

パンゴル
パンゴル

そうだ。

 

しかも、突き詰めれば、インサイドアウト軌道こそが自然な軌道ってことになるし、ドローボールが自然な球筋ってことになる。

後輩A
後輩A

ということは、ドローよりフェードのほうが難しいってことですか?

パンゴル
パンゴル

そういうことだね。

 

だから、スライサーの人は不自然で難しい打ち方をしてることになるんだ。そうなってしまう原因の筆頭が、頭を動かすなって教えになるわけだな。

 

頭を動かさずに体を捻転すれば、クローズなトップになんてならない。逆にバックスイングで積極的に頭を右に動かしてあげれば、クローズなトップを作りやすくなる。

 

この意識だけで、スライスはだいぶ良くなると思うし、上手くいけばそのままドローヒッターだ。

後輩A
後輩A

なんだか、できるような気がしてきました。

パンゴル
パンゴル

それとな、このクローズなトップと、ロイマキ風体重移動(#4)はすこぶる相性がいい。だから、お前の場合は、またもや意識を変えるだけでOKってわけだ。まっすぐの意識を忘れちまえばいいだけなんだよ。

後輩A
後輩A

あざーっす!またまた、やる気が出てきたぞ!

パンゴル
パンゴル

ただしこれは、あくまでもロイマキ風体重移動がきっちりできていることが前提であって、それが出来ていない人にとってはやっぱり難しい。

 

クローズなトップは、骨盤の動きに伴って、背骨軸が右に傾くように動くことで達成されるわけだけど、逆に言えば、腰の開きが早いと、いとも簡単に左に戻るってことになる。こうなると、クローズな状態が維持できない。

 

ベン・ホーガンは、しきりに「ダウンスイングの始動は腰から」と言うが、それは彼にフェードを打とうという意思があってのこと。おそらく、右に傾いた背骨軸を速やかに左に戻すという意味で「ダウンスイングの始動は腰から」と言ったのだと思う。

 

さっき見てもらった赤いダウンスイング用のプレーンは飛球線に対して右向きだ。しかし、実際のホーガンはフェード打ち・・・矛盾しているよね。フェードを打つなら左向きのほうが望ましいのだから。

 

ホーガンはフックに悩まされていた。そこでフェード打ちに転向するために努力したわけだけど、その過程で気付いてしまったのだろう「普通にスイングすれば、ダウンスイングのプレーンは右向きになる!」って。

 

だから、モダン・ゴルフには右向きのプレーンを描くしかなかった。しかし、そのままだとやっぱり都合が悪い。彼はフェード打ちなのだから。そこで、それを矯正する手段として「切り返しは腰から」という概念を思いつき、本に記したわけだ。

 

そうして、いつの間にか「切り返しは腰から」という概念だけが独り歩きすることになった。もちろんそこに、ロイマキ風体重移動の概念はない。なので、多くのアマチュアゴルファーは「切り返しは腰から」だけを信じてクラブを振り回した。その結果、スライスに悩まされるゴルファーが量産されてしまい、今もなお苦しめられているわけだ。

後輩A
後輩A

多分、そんなとこなんでしょうね。

 

てか、俺はパンゴルさんからロイマキ風体重移動について聞いているから理解できますけど、普通の人が聞いたら「何妄想かましんてんだよ」って思うかもしれませんね。

 

パンゴル
パンゴル

それは大いにあると思う。

 

事実、「ヒップターン」でお馴染み有名ティーチングプロ(※現在はトーナメントプロ)の中井学氏は、当初「腰を切れ」としきりに言っていたんだ。「腕なんて使うな、とにもかくにも腰を切れ」って感じだ。

 

でもその後、今度は「アームローテーションが出来てこそのヒップターン」なんて言いだして、大幅にトーンダウンしてしまった。おそらく、ものすごい批判があったんだろう。アームローテーションに特化した本まで出版し、あとがきに「贖罪の意味を込めてこの本を出版した」みたいなことを書いたくらいだから。

 

しかし、今考えれば、これこそベン・ホーガンの「切り返しは腰から」が独り歩きしてしまった結果だと言える。

 

「切り返しは腰から」じゃなくて、俺に言わせれば、「切り返しはロイマキ風体重移動から」だ。そしてもちろん、腕を返す意識なんて全く必要ない。ジャイロ効果とか掌屈とか、その他もろもろが正しく作用すれば、勝手にフェースは返るんだから。

 

言ってみれば、能動的なアームローテーションは「代償動作」。代償動作を練習する必要性などあるわけがない。

後輩A
後輩A

そんなことがあったんですか。知らなかった。なんだか切ないですね。

 

俺もこの前までアームローテションばりばりの手打ち派だったから、もしこの話を知っていたら「それみたことか!」って思ったかもしれません。

 

 

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パンゴル
パンゴル

ちなみに、ここで言ったことと同じような内容を、だいぶ前に記事にしてるのに、あんまり読まれた形跡がないんだ。色物だと思われたのか・・・それがまた悲しいYO。

【スイング探究】テイクバックで頭を止めるな ~ 動くほうが自然である件 ~
ミート率と方向性の向上のためでしょうか。スイング中、極力頭を動かさないよう意識している方も多いことと思いますが、人の骨格、特に骨盤と背骨の関係性から考えれば、頭が動くほうが自然な動きであるように思えます。特に、ゴルフスイングには前傾が入っていますから、なおさら頭を動かさないと、逆に無理な姿勢を強いられることになるでしょう。骨盤と腰椎(背骨)は基本的に直交する関係ですから、骨盤が回転すれば背骨もつられて動くはず。すなわち、頭も動いて当然です。

 

後輩A
後輩A

大丈夫ですよ。俺が見ておきますんで元気出してくださいYO。

そんなことより、打つZOー!

#17へ、つづく>

#17 ゴルフスイングに正拳突きは役に立つ?!連続写真切り取りの罠(打ってけ泥棒:その9)
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