新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

ゴルフメカ談議へGO!

#15 ホーガンのガラス板は急すぎる?!角度を変えればジャイロ効果も実感できて一石二鳥(打ってけ泥棒:その7)

ゴルフメカ談議
【前回(#14)までのあらすじ】パンゴルは後輩Aの体力に驚いた。既に250球も打っているのに、まだまだ打ち足りないらしく、今から50球打ち終えるまでは話しかけるなと言うのだ。おそらく今日は調子がいいから、気持ちよくなっているのだろう。さっき話した「体幹を背骨軸周りに捻じっておけば、股関節がなんとかしてくれる」という、普通の人にとっては非常に曖昧なアドバイスが、逆に後輩Aにはドハマリしたと見える。しかしながらパンゴルは、後輩Aが黙々と球を打つ姿を見ながら、ムズムズしていた。あー早く話したい。ベンホーガンのガラス板について話したい・・・。時間無制限・打ち放題練習場「打ってけ泥棒」にて。
パンゴル
パンゴル

・・・47、48、49、50発!

お疲れさん!話していいか?

後輩A
後輩A

いきなり!

はっ、はい、どうぞ。球数まで数えて、そんなに話したい事っていったい何なんですか?

パンゴル
パンゴル

ベン・ホーガンだよ。ベン・ホーガンのガラス板について。聞いたことある?

後輩A
後輩A

詳細は知りませんが、俗にいうホーガンプレーンってやつでしょ。スイングプレーンってやつ。

パンゴル
パンゴル

うん、そんな感じ。だけどちょっと違う。もしかするとホーガンプレーンを誤解してるかもしれないから、是非ともお前に、正しい情報を伝えておきたい。

後輩A
後輩A

わかりました。嫌だと言ってもどうせしゃべるんですから聞いときます。

スポンサーリンク

 

パンゴル
パンゴル

ホーガンのガラス板ってのは、アドレス時のボール位置を起点として肩に斜めに立て掛けた平面を指す。こんなやつだ。

 

それにしても、きちんと頭用の穴まで描いているところがにくいにね。

<モダン・ゴルフ:ベン・ホーガン著より引用>

 

後輩A
後輩A

これ、見たことあります。スイング解析でも、肩からボールに向けてラインを引いたりしますもんね。

パンゴル
パンゴル

ここで、勘違いしてはいけないのが、このガラス板はバックスイング用のプレーンであるという点だ。ダウンスイング用のプレーンではない。

 

ダウンスイング用のプレーンは、このガラス板よりも勾配が緩やかで、かつクラブ軌道がインサイドアウトになるように描かれている。この画像の下の方、赤色のプレーンになるな。

<モダン・ゴルフ:ベン・ホーガン著より引用>

後輩A
後輩A

ほう、確かに。赤いダウンスイングのプレーンは、黒いバックスイングのプレーンより緩やかだ。んっ、これって、シャローってことじゃないですか?

パンゴル
パンゴル

うなんだよ。シャローなんだよ。

 

ベン・ホーガンさんは、1950年代、既にシャローを示唆していたんだ。ゆえに、シャローとは、最近出てきた新しい概念ではなく、昔からあったことになる。

 

しかもホーガンは、バックスイング用のガラス板(黒いほう)に沿ったダウンスイングは不可能とまで言っている。だから赤い色の板が描かれているわけだ。

 

なので、シャローとは本来、スイングのテクニックではなく、スイングの本質的なモノであると解釈できるね。

後輩A
後輩A

おーっ、ホーガンってやっぱすごい。「すべてのスイングはベン・ホーガンに通じる」なんて言葉がありますが、本当にそんな気がしてきました。俺も読んでみよう。

 

パンゴル
パンゴル

うん、この本は本当に読んでおいたがいい。

 

現代は、インターネットで手軽に簡単にゴルフ情報を入手できる時代。だけど、便利になった反面、明らかにおかしいもの、すごく奇抜なアイディアなどが、散見されるようになってしまった。

 

そんなとき、このモダン・ゴルフを思い出して情報を突き合わせてみるんだ。

後輩A
後輩A

ういっす。ほんじゃさっそくポチっておこう。ポチっとな。

パンゴル
パンゴル

ただ、注意しておかないといけないのは、このモダン・ゴルフはあくまでも、ベン・ホーガンの主観で書かれたものであるということだ。なので、間違いとは言わないけど、どうしても自分に合わないと感じる部分が少なからずあると思う。

後輩A
後輩A

あいよ。ところで、パンゴルさんもなんか違うなーって思ったところはあったんですか?

パンゴル
パンゴル

うん、あったよ。

さっき見てもらった、バックスイング用のガラス板、この角度がきつすぎるんじゃないかと思っている。

後輩A
後輩A

俺に見せておきながらのそこですか。ちょっと聞かせてもらいましょうか。

スポンサーリンク

 

パンゴル
パンゴル

まず、一番目に見せた画像の注釈。ここを読んでもらいたい

後輩A
後輩A

なになにっ「バックスイングのプレーンは、足を起点にして両肩に立て掛けた大型のガラス板をイメージ・・・」って・・・わかりました!足ではなく、ボールを起点に、ってことですね!

パンゴル
パンゴル

違うっ!

確かに俺も、足を起点ではなくボールを起点だとは思うけど、本質はそこじゃない。

 

その先の「両手は、バックスイングで腰の高さに近づくと、プレーンと平行に動き、そこからトップまで、(ガラス板のすぐ下を)プレーンと平行の位置を維持しなければならない」ってとこだ。そして、二枚目の画像にはこうある。「腕はガラス板をこする」と。

後輩A
後輩A

そっちですか。

パンゴル
パンゴル

ここで、タイガーとかロイマキのバックスイングを参考にして考えてみよう。

 

まず、タイガー・ロイマキ系だけど、彼らのバックスイングは、後方から見て、肩と腕のラインが平行かつ一致して見える。

 

したがって、タイガー・ロイマキ系のスイングをする人にとっては、ホーガンのガラス板(黒い板)は、腕の回転面であることはもちろん、肩の回転面でもあると言えるわけだ。

後輩A
後輩A

同意。

パンゴル
パンゴル

ただし、そうなると今度は、このガラス板の角度は急すぎて窮屈に感じてしまう。

 

やってみればわかるけど、球に向かって肩のラインを合わせていくと、縦回転が強くなりすぎてしまうんだな。

後輩A
後輩A

どれどれ、やってみます。

んー、確かに肩の縦回転が強すぎるように感じますね。

パンゴル
パンゴル

だろ?

それに肩のラインをボールに合わせに行ってしまうと、さっき話した「体幹は背骨軸で回す」(#14)という動きと矛盾してしまうんだ。

 

つまり、ホーガンのガラス板(黒いほう)沿いに、腕ならびに肩を回転させ、なおかつ、背骨軸で上半身を捻るためには、前傾をかなり深くしないといけなくなる。

 

極端な話、ミシェル・ウィーのパッティングフォームみたいになってしまうかもしれないな。

後輩A
後輩A

あのフォームは、きつすぎる!ほんじゃ、どうしたらいいですか?

パンゴル
パンゴル

方法は二つあって、ひとつは、ホーガンのガラス板(黒いほう)の角度をもっと緩やかにすることだ。ボールを起点とするのではなく、肩を起点として背骨に直交するようにガラス板を立て掛けるわけだな。そうするとガラス板の下端は、ボールの位置ではなく、ボールのもっと先になる。

 

もう一つは、デシャンボーになることだよ。腕とシャフト間に角度をつけずに構えれば、背骨軸周りに捻転したときの肩のラインは、ボールを指すことになる。

 

以前ネットで、デシャンボーが参照したゴルフ本について紹介している記事を見たけど・・・これだ「The Golfing Machine」って本だ。下に記事のリンクを貼っとくから、暇なときに見てみるといい。

【スウィング研究】デシャンボーの教科書。「ゴルフィングマシーン」とは!? - ゴルフへ行こうWEB by ゴルフダイジェスト
世界中のティーチングプロの問で知らない者はいないというほど有名な本であるにもかかわらず、日本ではほとんど知られていない幻の名著がある。50年近く前に著されたこのゴルフ書には、現代にまで通じるゴルフの「真理」が詰まっているという。 果たして、その内容とは?

 

後輩A
後輩A

デシャンボーもミシェル・ウィーもきっついなー。やっぱ俺は、タイガー・ロイマキ系を目指します。

パンゴル
パンゴル

俺もそれが良いと思うぞ。

単純に、意識の中でホーガンのガラス板を緩やかにすればいいだけなんだから。

 

そして、ガラス板を緩やかにすれば、ある効果が出やすくなるから一石二鳥。ジャイロ効果ってのが働きやすくなるんだな。

後輩A
後輩A

ジャイロ効果ってなんでしたっけ?聞いたような、聞いてないような。とにかく教えてください。

パンゴル
パンゴル

そうだな、俺も話したかどうか忘れたから、もう一度簡単に説明しとくわ。

 

と、その前にガラス板を緩やかにするっていうのは、肩の回転が背骨と直交するって意味だ。

 

背骨を軸として体幹を回転させるっていう意識だけで上手くいく人もいると思うけど、それにプラスして、肩の回転面も意識しておくといいと思うぞ。

 

スポンサーリンク

 

パンゴル
パンゴル

ジャイロ効果の詳しい話は下のリンクを見てもらうことにして、ここでは実例をもとに、簡単に説明しておこう。対象とするスポーツ動作は野球のピッチングだ。

【スイング探究】シャローイングが、スイングにキレを生む ~ジャイロ効果によって生じる右手の回内運動~
昨今、何かと話題のシャローイングですが、その一番のメリットは「スピン量の低減」にあると思います。これにより飛距離アップに期待ができるわけですが、しかしながら、シャローイングの効果はこれだけではありません。スイングにキレを生み出す効果もあるのです。ここでいう「キレ」とは、スパッと振り抜かれるヘッドの走り。これは、シャローイングを行うことで自動的に引き起こされるジャイロ効果のおかげです。地球ゴマが倒れそうで倒れないのはジャイロ効果のおかげ、良いピッチャーの投げる球にキレがあるのもジャイロ効果のおかげ、そしてスパンと振り向かれるクラブヘッドもジャイロ効果のおかげなのです。

 

後輩A
後輩A

ういっす。俺、野球経験者だからありがたいっす。

パンゴル
パンゴル

野球のピッチングにおける回転運動は、メインが体幹の回転、サブが腕の回転になる。

 

要するに、ピッチングで腕を振るなんて言うけど、実際のところは、その腕振りに伴う回転運動はサブであるわけだ。

後輩A
後輩A

あいよ。俺もなんとなくそういう気がしますから、とりあえず同意しときますね。

パンゴル
パンゴル

これはゴルフスイングにも当てはめることができて、体幹の回転運動により発生するトルクをαトルクっていうんだけど、一説によれば、スイング全体に占めるαトルクの割合は、80%にものぼると言われている。

【スイング探究】「α, β, γトルク」を理解して飛距離アップを狙う!
皆さまご存じの通り、ゴルフスイングは回転運動です。しかし、2次元的に考えてしまうと、説明が非常に難しくなってしまいます。時計のように、単一軸周りの回転運動であれば、わざわざ「α, β, γ-トルク」など分解して考える必要はありませんが、ゴルフスイングは3次元的な回転運動であり、そのスイング系全体の回転運動は、3つの軸による回転運動が合成されたもの、つまり「α, β, γ-トルク」が合成されたものと考えられているからです。

 

 

後輩A
後輩A

ほうほう。数字で示されると、より一層「体で打て」っていう意味が見えてきますね。

パンゴル
パンゴル

そこでこの画像を見て欲しい。注目すべきは、体幹の軸と腕振り軸の傾きの違いだ。

なんとなく違ってるなーくらいの感覚でいいぞ。視覚的に、傾きの違う平面が存在していることを確認してもらいだけだから。

<トップアスリートの動きは何が違うのか:山田憲政著より引用>

 

後輩A
後輩A

確かに平面の角度が違う。確認だけならイージー、イージー!。

パンゴル
パンゴル

それでいい。

次に、この画像の右側の絵にある注釈を見てくれ。

「内旋と回内発生」って書いてある。

 

 

後輩A
後輩A

はい。見ました。

パンゴル
パンゴル

・・・素直過ぎる。ちょっとくらいは考えてくれよ。

 

ほんじゃ聞くけど、ゴルフスイングにおいて、(右腕)内旋・(右手)回内は、どんな効果をもたらす?

 

後輩A
後輩A

アームローテーションを促す・・・つまり、フェースターンが起こって、ボールがつかまりやすくなるってことですか!

パンゴル
パンゴル

その通り!

 

体幹の回転軸と腕振りの回転軸の傾きが異なってさえいれば、フェースターンは勝手に起こるってことを理解して欲しいんだ。

 

つまり、かつてのお前みたいに、右腰前で腕や手を「バーン」と返してフェースを返すようなことはしなくていい!

後輩A
後輩A

そういえばそうでしたね。俺もかつては腕を「バーン」と返していたような気がします。

パンゴル
パンゴル

しらばっくれたな。まあいいわ。

 

ここで、野球のピッチングに戻るけど、ピッチャーが投げ終わった後の右手の位置ってどこに来る?

 

左腰辺りにくるよな。つまり、腕は背骨を斜めにスパッと切るように振られるわけだ。決して、体幹の回転面と平行に振られるわけではない。

後輩A
後輩A

この辺は感覚的にわかりますよ。イージー、イージー!

パンゴル
パンゴル

それじゃあここで、このピッチャーの動きをゴルフに当てはめるぞ。

 

体幹を背骨軸周りに回転させる。そして、普通にボールを打ちに行く。すると、腕は自然と縦気味に振られることになる。

 

つまり、体幹を背骨軸周りに回転させるだけですべてが整うわけだ。そうすれば、ジャイロ効果を伴って、右手は回内し、フェースローテーションが起こるんだな。

 

だからさっきから俺は、体幹は背骨を軸として回っせって言ってるんだよ。

後輩A
後輩A

おっ、おー、なるほど。見えてきました。

パンゴル
パンゴル

そこで、ホーガンのガラス板に戻る。

 

黒いほうのガラス板は角度が急すぎるって言ったけど、これは、単純に体幹の背骨軸回転が難しくなるってだけではなくて、ジャイロ効果が引き出されにくくなるってことも危惧してのことだったんだ。

 

体幹がすんなりと背骨軸周りで回転できることが大前提。これをなくしてジャイロ効果は望めない。

後輩A
後輩A

ビンゴ!完全につながりました!あざーっす。

パンゴル
パンゴル

それとな、さっき、体幹を背骨軸で回転させる方法として、デシャンボーになればいいって言ったろ。

 

こっちも少しだけ補足しておくと、ずばり、デシャンボー打法は、原理的にジャイロ効果が発生しにくくなるんだな。これは、体幹の回転軸と腕の回転軸が平行に近くなるからだ。それに伴って、右手を回内させるトルクは自然と抑えられることになる。

 

すなわち、「ひっかけ」を直す方法としては、デシャンボー打法もありってことだ。やることと言えば、アドレス時、ボールとの距離を大きくするだけなんだから、ものすごく簡単だろ?

 

この辺は、この記事が参考になるとおもうぞ。

【スイング探究】デシャンボーの飛ばしの秘訣を考察する 
いやー、驚きましたね。2020年、PGAツアー再開後のデシャンボーの肉体と飛距離には驚きましたね。鍛え上げられた肉体から放たれた打球は、しばしば400ヤードオーバー。この圧倒的な飛距離をもって、2020年Rocket Mortgage Classic そして US Open を制しました。2020年 Tour Championship までのドライビングディスタンスは平均322.1ヤードで第一位。そして、2021年シーズンに入ってからのドライビングディスタンスは337.8ヤードと、とどまる所をしりません。2019年シーズンのドライビングディスタンスは302.5ヤード(34位)でしたから、つまるところ本記事執筆時の2021年1月1日までに、35.3ヤードも平均飛距離を伸ばしたことになります。デシャンボーの飛ばしの秘訣とは?ということで今回は、スイング面と体力(筋力)面からデシャンボーのスイングを分析し、考察していきたいと思います。

 

後輩A
後輩A

オッケーい、サンキュー!

 

もともと俺はスライス気味だから、デシャンボーより、ホーガンをアレンジした緩やかなガラス板を意識します。

 

これで俺もドローヒッターになれますかね?

 

パンゴル
パンゴル

うん、なれると思うぞ。

後輩A
後輩A

はいよ、ほんじゃ張り切って打ちまっせー!。

#16へ、つづく>

#16 まっすぐな意識を捨てれば、ドローボールは簡単に打てるはず(打ってけ泥棒:その8)
【前回(#15)までのあらすじ】後輩Aは今、気持ちよーく球を打っている。よっぽど調子がいいのだろう。パンゴルの方を全く振り返らなくなった。もう特に話すこともないかなと思っていたのだが、しかしひとつだけ、後輩Aの言った「俺もドローヒッターにな...

コメント