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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【GiS的多読】デビッド・レッドベター「Aスウィング」:デビッド・レッドベター

多読!ゴルフ本
世に無数に存在するゴルフ解説本を読み、独自の感想・見解を述べるページ。正直言って、現在出回っているゴルフ本のほとんどが、かねてより言い伝えられてきたことの焼き直しだろう。だが、一行でも、一言でも良いから、役に立つ情報を見つけたい。発見と気付きのための多読である。

本の概要

日本でも有名なゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏が提唱する「Aスウィング」の指南書。

「Aスウィング」のAは、Alternativeの頭文字。これまでの代わりとなるスウィングという意味が含まれている。

今回はじめて「Aスウィング」という言葉を聞いた方は、マシュー・ウルフのバックスイングをイメージしてみよう。

彼はGGスウィングの使い手であり、Aスウィングは特段意識していないとのことであるが、マシューのあの特徴的なクラブの挙動は「Aスウィング」そのものである。

Alternativeというくらいだから若干特徴的ではあるが、そこはさすがの有名ゴルフコーチ、理論としてはそこそこまとまっている印象を得た。

読後の所感

参考になる情報はたくさんある、そんな印象を持った。

しかしながら、やっぱり納得できない点がいくつかあり、その一つ目が、マシュー・ウルフのようなクラブの挙動。この本では”Vプレーン”というネーミングがなされているが、これがシャローイングの肝だと言う。

二つ目が、インパクト以降の手首の形で、右手下、左手上の位置関係が推奨されている点であった。そのときの左手首の形は、当然ながら甲側に折れることになる。この形を目指すと”すくい打ち”が誘発されるような気がしてならない。

 

<Vプレーンについて>

”Vプレーン”自体は、やりたい人はやればいいし、合わなければやる必要もないと思っている。ただこれが、推奨されるべき動きなのかどうかという点で、疑問を持ってしまうわけだ。

別に”Vプレーン”にしなくても、シャローイングは可能。わざわざ、フライングエルボーになるような動きをして、スイングを複雑化する必要などあるのだろうか。

バレーボールのアンダーレシーブのように両上腕をセットしたまま(右脇を上から閉めるイメージ)バックスイングしても、クラブを立てることは可能だ。

「立てて寝かせる」ことがシャローイングのコツであるとするならばこれで十分。なんでわざわざ右脇を開きに行くのか、よく理解できない。

 

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<インパクト以降、左手首が甲側に折れる形>

当たり前だけど、一連のスイング動作を阻害するような矛盾する動きは絶対にやるべきではない。

シャローの利点は、浅い位置からクラブヘッドがボールを捉えることによるスピン量の低減や、パッシブ的にトルクが発生する点など、いくつか挙げられるが、後者のパッシブトルクの効果に着目すれば、インパクト以降左手首が甲側に折れる形は、一連のスイング動作を完全に阻害するものであると言えるだろう。

 

左手上、右手下のこの形は、”すくい打ち”したときの悪い見本。シャローイングするとパッシブトルクが発生するのだから、そももがこの形にはなり得ない。

なのに、この形を目指したらどうなるか。

パッシブトルクの恩恵が受けられなくなってしまうだろうし、シャローイング自体を妨害してしまうことも考えられる。

 

シャローにするとジャイロ効果が働くので、右手の回内動作が助長される、とスポーツ科学の本で読んだことがある。

だからフェースが自然に返り、つかまり球が打てるようになるわけだが、このナチュラルな効果を打ち消してしまうような意識付けを自らしてしまうなんて・・・・正直言って意味がわからない。

そんなことなら、Vプレーン自体、端からやらないほうがマシじゃないだろうか。

【スイング探究】シャローイングが、スイングにキレを生む ~ジャイロ効果によって生じる右手の回内運動~
昨今、何かと話題のシャローイングですが、その一番のメリットは「スピン量の低減」にあると思います。これにより飛距離アップに期待ができるわけですが、しかしながら、シャローイングの効果はこれだけではありません。スイングにキレを生み出す効果もあるのです。ここでいう「キレ」とは、スパッと振り抜かれるヘッドの走り。これは、シャローイングを行うことで自動的に引き起こされるジャイロ効果のおかげです。地球ゴマが倒れそうで倒れないのはジャイロ効果のおかげ、良いピッチャーの投げる球にキレがあるのもジャイロ効果のおかげ、そしてスパンと振り向かれるクラブヘッドもジャイロ効果のおかげなのです。
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最後に

なんだか批判的な感想になってしまったけど、私は批判をしたいのではなく、この本の中で上記の2つだけが残念な点であったことを伝えたかったのである。

翻って言えば、その他述べられていることは非常に参考になるし、いわばスイング理論の王道を行くようなものに思えた。

説明も丁寧で、これまで読んできたレッスン書の中でも、かなり出来の良い部類に入ることは間違いない。

しかし、おすすめしたいけどおすすめできない、そんなモヤモヤとした感じがどうしても残ってしまう一冊になってしまっていることが残念なのだ。

ちなみにこの本、買いか買いでないかで言えば・・・買いです。