本の概要
宮本勝昌プロによる飛ばしのレッスン書。タイトルにある「スイッチ」とは、秘訣やコツのことだと考えていただきたい。
本書では、全部で61個のスイッチが紹介されているが、全てを真似する必要はなく、自分に合いそうなものだけをピックアップすればOKだ。
肝心の内容だが、各スイッチ(秘訣やコツ)、けっこう丁寧な説明が添えられているという印象を受けた。
白黒ではあるが写真も添えられているので、総じて理解しやすいと思われる。
読後の所感
フェースの開閉が飛ばしに繋がると、宮本プロは言います。
左にボールが飛ぶようになればつかまった球が打てている証拠。まずは、左に行くフックボールが打てるようになることが肝要である。
正直言って私は、上記のようなヘッドターンを積極的に使う方法論はあまり好きではないのだが、それでもいくつか役にたちそうなスイッチは見つけることができたので、ここで3つほどご紹介しておきたい。
<俺的スイッチ①:「手とクラブを棒にするような感覚」と「ムチのようにする感覚」>
宮本プロは、スイングに「パワー」と「しなやかさ」を同居させることが重要であると述べている。
それを実現するのが、「手とクラブを棒にするような感覚」、そして「ムチのようにする感覚」だと言っているが、全くもって同感だ。
具体的には、前者は左腕を伸ばしたスイング、後者はグリップ圧やタメ、これらを意識するとうまくいくような気がした。
<俺用スイッチ②:「切り返し」から「ダウンスイング」で、一瞬身体を沈み込ませる>
切り返しからの沈み込みは、何度となくチャレンジしているが、うまくいく日といかない日があるから困ったもの。
というのも、右足荷重のまま沈み込むのか、両足荷重で沈み込むのか、そこに迷いがあったことが原因だと考えているわけだが、宮本プロは本書の中で、右足軸のまま沈み込むと明確に表現されており、であれば、右足荷重のまま沈み込むのが正解であると、これまでの迷いを吹っ切れたことは、私にとって大きな収穫であった。
これにより、頭も右に残すことが容易となることだろう。一石二鳥、しめしめである。
<俺的スイッチ③:フォローで”ビュン”と音を出すように振る>
これは昔からよく言われていることだから、皆さんご想像いただけると思う。
「ボールの先50cmから60㎝くらい先で、クラブが最高速を迎えるように振りましょう」というあれだ。
本書では、フォローで”ビュン”と音を出すには、手元はあまり動かさず、手首のターンを使って振る、と説明されているが、これでピーンときた。
先述したように、私はヘッドターンを積極的に使うことはあまり好みではない。
むしろ、自然なヘッドターンが起こるスイングこそが理想なのだから、自ら能動的にフェースを開閉させるような意識自体間違いの元だと考えている。
しかし、そのヘッドターンも、インパクトの後であれば、何ら問題とならないことは事実だ。
ということは、インパクトの後(またはその時点から)、フォローで”ビュン”と音を出すために、手首のターンを使って振る、と考えてみたらどうだろうか。
これにより、インパクトで当てて終わりのスイングを防ぐことができるようになるはずである。
私には、これが正解のような気がするのです。
最後に
この本がリリースされたのは2015年。
どちらかと言えば、「クラブを立てて、ヘッドを返す」というオールドスタイルな内容であったが、結果的には自分のスイング論構築に貢献してくれたのだから、それだけでありがたい。
つくづく、本は読んでみるべきだなあと感じざるを得ないのである。