本の概要
ピアニールソンは、全てのホールでバーディーを奪取する「54ビジョン」を掲げたが、木村和久氏は、とにもかくにも「80台」で回る「89ビジョン」を提唱する。
いうなれば、「54ビジョン」のアマチュア版が「89ビジョン」だ。
木村氏は、平均スコアが80台であれば、人生威張りまくり、女性の前でもいい格好ができるし、初めてのコースでも快適にプレーできると説きます。
著者の長いゴルフ人生の中で見出された、80台を出すためのコツと知恵が詰まった一冊。スコアアップを目的としたゴルフエンターテイメント本である。
尚、本書中のレクチャーは全て木村和久氏によるもの。福本伸行氏はイラスト担当です。
読後の所感
まさにゴルフエンターテイメント。スイングは良くならないかもしれないが、スコアは良くなるかもしれない。
「バンカーショットは”直打ち”でいい」や「生涯マン振り禁止宣言」など、Yahoo知恵袋ならぬ、木村知恵袋のオンパレードであった。
ゴルフの王道を行く人から見れば、ちょっとセコイと感じるかもしれないが、我が道を突き進む信念の強い人なら共感できること請け合いだ。
特に、バナナスライスが持ち球で左斜め45度を向いて打つことも厭わないような強心臓の持ち主の方にお勧めしたい。
最後に
たまにはこういう本もいいね。
プロ目線ではなく、完全なるアマチュア目線。だから共感できるし、気持ちがわかる。
少し前、「レッスンプロに習ってもうまくなれない」そんな木村氏のコラムを読んだ記憶があるが、この意見には全くもって同感だ。
プロ、アマチュア問わず、生徒を上手くするのがレッスンプロの役目だと思うが、実際のところは、受講者の努力やセンスに任せっきりのように見えてしまうし、そもそもが受講者の悩みや希望など受け入れず、なぜか知らないけど我が道を通そうとするレッスンプロもいるようだから困ったものである。
横浜に住んでいたころ、とある練習場のレッスンプロに、アイアンを教えてくれと頼んでいるおじさまがいらっしゃった。
しかしこのレッスンプロ、「ドライバーが当たんないとスコアなんてまとまんないから」という理由で、ドライバーのレッスンを半ば強引に始めたことを思い出す。
いやいや、そのおじさまはアイアンを教えてくれって言ってるわけでしょ。なんでドライバーになるの?
いまだに意味がわからない。
ちょっと話がズレてしまいましたが、レッスンに通っているけどスコアが良くならないような方、そんな方は本書を読んでみるといいかもしれません。