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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【GiS的多読】誰もいわなかったシンプルゴルフのすすめ:中井 学

多読!ゴルフ本
世に無数に存在するゴルフ解説本を読み、独自の感想・見解を述べるページ。正直言って、現在出回っているゴルフ本のほとんどが、かねてより言い伝えられてきたことの焼き直しだろう。だが、一行でも、一言でも良いから、役に立つ情報を見つけたい。発見と気付きのための多読である。

本の概要

「ヒップターン」でお馴染みの中井プロも、とうとう手打ち派に転向か?!、と思えるくらい「ヘッドターン」にフォーカスした本である。

 

[中井プロが、この本を出すことになった経緯]

  1. これまで推奨してきたヒップターンは、手や腕を正しく使える人たちを前提としていた。
  2. しかし、多くのアマチュアが手や腕を正しく使えていないという事実に気付いていなかった。
  3. そのため、ヒップターンをやっても上手くいかない人が続出してしまった。
  4. ヒップターンとは、ヘッドターンありきのものである。
  5. したがって、まずは、ヘッドターンを覚えなければならない。

 

ずばり、本書はヒップターンにチャレンジしたが、結局上手くいかなかった人に向けて書かれた本である。

読後の所感

この本を読む際に注意すべき点は、以下の2つ。

  • ヘッドは、「返す」ものなのか、「返る」ものなのか
  • ローテーションは、「腕周り」なのか、「シャフト周り」なのか

本書では、ヘッドターンについては「返す」という表現が用いられており、そしてローテーションの軸は「腕周り」となっていた。

 

うーん、これってどうなんだろう。

私は、ヘッドは返すのではなく「返る」が正解で、ヘッドローテーションの軸は「シャフト周り」が正解だと思っている。

 

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<ヘッドは「返る」が正解のはず>

そもそも、ヒップターンが上手くいかない原因は、切り返しから腰が空回りしてしまうからであって、ヘッドターンができていないこととは関係ないのではなかろうか。

バックスイングの段階で、体から両手が外れてしまえば振り遅れて空回りするだろうし、捻転が足りていなくても空回りするだろうし、原因は様々だろう。

切り返しから腰が空回りしている状態は、手や腕が完全に取り残されてしまった状態だ。

なので、球を打つには、インパクトまでに手を使ってヘッドを体に追いつかせなければならない。

その結果「手打ち」となってしまうのだが、飛球線方向にクラブを引っ張ればスライス、それを嫌がって腕を返せばチーピンとなる。

 

そこで、私の考えはこうだ。

腰が空回りせず、体と手や腕が同調していれば、ヘッドは自然に「返る」はず。

というのも、ゴルフクラブは、ヘッドの重心がズレた構造。

そのため、一度閉じ出したら、そこからはずっと閉じようとする力が働く。

腰が空回りせず、体と手や腕が同調していれば、いわゆるデリバリーポジションで、ヘッドの重心とシャフトの関係性がひっくり返るはずだから、ヘッドは勝手に「返る」ことになる。

また、ジャイロ効果による右手の回内作用も鑑みれば、ヘッドを返す必要性など全くない。

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昨今、何かと話題のシャローイングですが、その一番のメリットは「スピン量の低減」にあると思います。これにより飛距離アップに期待ができるわけですが、しかしながら、シャローイングの効果はこれだけではありません。スイングにキレを生み出す効果もあるのです。ここでいう「キレ」とは、スパッと振り抜かれるヘッドの走り。これは、シャローイングを行うことで自動的に引き起こされるジャイロ効果のおかげです。地球ゴマが倒れそうで倒れないのはジャイロ効果のおかげ、良いピッチャーの投げる球にキレがあるのもジャイロ効果のおかげ、そしてスパンと振り向かれるクラブヘッドもジャイロ効果のおかげなのです。

 

やっぱり、ヘッドは「返す」ではなく「返る」と表現するのが正解としか思えない。

つまり、能動的にヘッドターンを起こすこと自体がナンセンスであり、それを練習する必要性など全くないわけだ。

そう考えれば、中井学氏が以前から主張するような、手や腕を意識しないヒップターンが正しいわけで、なんでこんな本を出したのか、不思議でたまらない。

 

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<ローテーションは「シャフト軸周り」が正解のはず>

中井氏は本書の中で、腕のローテーションによるヘッドターンを推奨しているが、腕とシャフト間の角度を考慮しているのだろうか。

上述したように、私はそもそもローテーションなど必要ないと考えているわけだが、もしどうしても必要であると言うのであれば、シャフト軸周りのローテーション(ローリング)に限っては、入れても問題ないと考えている。

 

ここで、切り返しから腕をローテーションさせるとどうなるか、想像してみよう。

腕とシャフト間には150度くらいの角度がついているわけだから、クラブは立つような挙動を見せるはずだ。

これがいわゆる「前倒し」なのだけど、世界のスイングは今、シャローイングが主流であり、むしろクラブは立てずに寝かせたままのスイングが当たり前になってきている。

この流れは、慣性モーメントの観点から考えれば明らかだろう。

腕とシャフト間には角度が付いているのだから、腕をローテーションさせると抵抗にしかならない。

確かに、ダフらなくなり、スライスも矯正されるかもしれないが、その分ヘッドスピードが落ちてしまう可能性も否めない。

 

次に、ローテーションとは腕周りではなく、シャフト軸周りのことだと考えを改めてみる。

そうすれば、慣性モーメントの増大も防げるし、中井氏の意図するヘッドターンも確実に起こることになる。

なぜなら、ヘッドはシャフトにくっついているのだから当然だ。

【スイング探究】フェースローテーション・シャロー・飛距離にお悩みの方必見! ~ローリングに隠された秘密~
野球関連の本で、"ローリング"という言葉を見つけました。なんでも、バット長軸周りの回転をローリングと呼ぶのだとか。それをゴルフに適用すれば、シャフト軸周りの回転となります。ゴルフクラブはL字型ですから、とどのつまり、ローリングはフェースローテーションに大きく寄与するということです。なるほど、これまで腕の旋回運動がフェースローテーションの源だと思っていましたが、その実体はローリングにある。そう考えれば、プロや上級者の言う「フェースを返す意識は持っていない」だとか「フェースターンを抑えて振っている」という言葉の意味が理解できます。
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最後に

本書の序文に「中井理論の集大成」と書いてあったけど、中井学氏には「飛んで曲がらないヒップターンスイング」をベースとして、もう一度「集大成」の本を出して欲しいと感じた。

腰が空回りしない方法等を追加してまとめるだけで、だいぶ救われる人が出て来ると思うんだけど、どうだろうか。