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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【GiS的多読】科学が明かすゴルフ上達のメカニズム:ゴルフ上達アカデミー

多読!ゴルフ本
世に無数に存在するゴルフ解説本を読み、独自の感想・見解を述べるページ。正直言って、現在出回っているゴルフ本のほとんどが、かねてより言い伝えられてきたことの焼き直しだろう。だが、一行でも、一言でも良いから、役に立つ情報を見つけたい。発見と気付きのための多読である。

本の概要

ゴルフ上達アカデミーというシングルゴルファー集団が著した本。

道具についての科学が2/3、スイングについての科学が1/3といった感じで構成されている。

タイトルに「科学」とついてはいるが、難しい数式などは出てこないので安心して欲しい。

また、本書はスコアアップのための細かいテクニック等を述べた性質のものではない。

スイングの基本動作やクラブの選び方など、ファンダメンタルな情報を提供する本である。

ゴルフ選びからスイングづくりまで、基本的になんでも自分で考えて行動することが好きな人向けの本と言って良いだろう。

読後の所感

ゴルフ科学本のなかでは、非常にバランスの取れた良本であるとの印象を得た。

ただ、スイング動作を科学的に説明するのは難しいようで、道具の科学で述べれられている内容と比較すると、若干見劣りしてしまう。

特に、スイングメカニズムを振り子に例えて説明するのであれば、きっちりと、それは単振り子なのか二重振り子なのか、区別をつけて説明いただきたいと感じたのである。

 

<スイング動作の振り子の原理について>

スイング動作は振り子であるとの説明には同意するが、二重振り子であるとの言及がなかったことが残念。

私は、ドライバーからアイアンショット系は二重振り子、パターは単振り子であると考えているが、この本では単に、「スイングは振り子の原理に則したもの、支点はグリップエンド」と定義されているから、モヤモヤしてしまう。

パッティングについては単に振り子と表現していいだろう。

しかし、フルショットについては二重振り子としておかないと説明が苦しくなるはずだ。

 

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まず、パッティングが単振り子であることは、長尺パターのアンカリング(今は禁止されている)の効果から容易に理解できる。

アンカリングポイント(グリップエンド)が振り子の支点となるわけだから、能動的に肩を回さなくてもパターの動きだけで振り子運動が可能となる。

対して、普通の長さのパターの場合はちょっと違って、能動的に肩を回したり上半身をねじるように動かさなければ単振り子にはなり得ない。

手首は通常固定されているのだから、グリップエンドを支点にすることなどできないのだ。

普通の長さのパターでは、仮想の支点を首の付け根や両肩の中間につくり、体を使って振り子を表現することになるため、長尺パターよりも難しいと言えるだろう。

とにかく、長尺であれ、普通の長さであれ、パッティングは単振り子であることに間違いはないはずだ。

 

続いて、ドライバーやアイアンショットの場合について考えてみる。

こちらについては、本書にあるようグリップエンドが支点となるという表現で問題ないだろう。

ただし、この支点は二重振り子の第二セグメントの支点であるという点を見逃してはならない。(クラブが第二セグメントに相当する)

二重振り子の原理によれば、腕(第一セグメント)とクラブ(第二セグメント)で作られる平行四辺形の面積(外積)が大きくなるほど、ヘッドは加速するのだから、腕とクラブのなす角は90度が理想。

「タメなんかいらない」なんて指導も見かけるが、二重振り子の原理に照らし合わせれば、タメは必須であることがわかるのだ。(二重振り子の詳細は、以下の記事を参照してください)

【スイング探究】二重振り子は、ゴルフスイングの根本原理
ゴルフのスイング解説で度々耳にする二重振り子。二重振り子スイングを体得すると、どうなるのでしょうか。「ヘッドスピードが上がり、飛距離が伸びる」「プロのようにやわらかく、しなやかな「ムチ動作」になる」「その他、すべてが良くなる」3つ目は何やら怪しいですが、まんざら嘘でもありません。二重振り子はゴルフスイングの根本原理なのですから。

 

尚、ゴルフにおける二重振り子では、体幹を回転運動の原動力とすることが求められる。

第一セグメントの支点は左肩なのだから、左肩の筋肉を使って腕を振ることができれば問題ないと思われるが、実際問題そんなことはできっこない。

胴体と腕を一体化、もしくは同調させて、体幹の回転運動を原動力とするのが賢い力の使い方だろう。

この辺は、本書で述べられているよう、「肩と腕によって作られる三角形のイメージを崩さない」が参考になるのではないだろうか。

 

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とまあ、振り子についてちょっと突っ込ませてもらったが、本書の内容は総じて濃く正確で、かつ一般の人にもわかりやすく丁寧に書かれているとの印象を持った。

細かい技術的なことは述べれられていないので、スコアに即直結するとは言えないにせよ、この本で基礎的な部分を学習しておいたほうが、結局は近道になるような気がする。

できるだけ早いうちに読んでおきたい本である。

最後に

ゴルフ上達アカデミーは、シングルゴルファー集団らしいが、どのような人たちが集まっているのだろうか。

監修:伊丹大介氏(江連忠ゴルフスタジオ所属)となっているので、少なくとも江連プロの影響を受けた方達なんでしょう。

自分が名乗っている「謎の一般ゴルフ研究家」と同様、”謎” のままにしておいた方がミステリアスで面白いかもしれないので、そっとしておくことにします。(案外有名だったりして?)