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謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【GiS的多読】パッティングの科学:デイブ・ペルツ / ニック・マストローニ

多読!ゴルフ本
世に無数に存在するゴルフ解説本を読み、独自の感想・見解を述べるページ。正直言って、現在出回っているゴルフ本のほとんどが、かねてより言い伝えられてきたことの焼き直しだろう。だが、一行でも、一言でも良いから、役に立つ情報を見つけたい。発見と気付きのための多読である。

本の概要

ゴルフスイングの古典的レッスン書が「モダン・ゴルフ」ならば、パッティングの古典的レッスン書は、この「パッティングの科学」だと言って良いのかもしれない。

原書のリリースは、1989年。

この本に登場する検証結果のほとんどは、ペルツ氏の創意工夫によるアナログ的実験手法によって導き出されたものだ。

トルローラーなる自作機器(スティンプメーターに三脚をつけたような器具)を用いて、何百回、何千回とボールを転がしたり、パーフィーと名付けられたパッティングロボットを作ったり、今のような高精度カメラと分析ツールによるものでは決してないが、そこがまたいい味を出しているのである。

 

(「パッティングの科学」表紙の写真)

 

さずがに、約30年前の情報であるからして、全てが通用するわけではあるまいが、NASAの科学者でもあったデイブ・ペルツ氏のパッティングにかけた熱量だけは、今も変わらず感じ取ることができる作品と言えるだろう。

読後の所感と内容のご紹介

この本がリリースされたころは、何百回、何千回と球を転がさなければ正確なデータを収集できない時代だった。

例えば、”ボールの偏心が与える転がり方向性への影響” を調査する際、ペルツ氏はトルローラーをビリヤード台の上に据え置いて、何千回ものパットテストを行ったという。

その結果、完璧に重心バランスが取れたボールは予想通りまっすぐ転がり、重心がずれたボールは、そのずれた方向に転がるという結果を得たのだった。

当たり前といえば当たり前のことだけど、こんな実験を重ねて得られた検証結果をまとめた本が、「パッティングの科学」なのである。

 

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さて、ここからは、知っておいて損はないパッティングお役立ち情報をいくつかピックアップしておきたいと思う。

  1. カップインの確率は、グリーンコンディションに大きく左右される
  2. ボールが転がる方向は、80%がフェースの向きに依存し、残りの20%が軌道に依存する
  3. あなたのパットが入らないのは、スィートスポットでインパクトできていないからかもしれない
  4. カップから見て両手が肩の真下に来る、片直下型ストロークが望ましい
  5. 手首を使いたくないなら、グリップをパームで握れ
  6. 43cmオーバーが一番入る確率が高い

 

<1について>

見た目きれいに整備されているグリーンであっても、実際問題カップインの確率はまちまちだ。

グリーンキャッスル、ベセスダ、コロンビア、3つのゴルフ場のグリーンで検証した結果、成功率には大きな差が出たという。

人がパットしたわけではなく、トルローラーによる検証だから言い訳はできないだろう。

 

 

バラツキが出る理由は明白で、プレーヤーが思う以上にカップ周辺約3.6メートルの領域は、凸凹しているのである。

プレーヤーの往来が多くなるのが、カップから約3.6メートルの領域。そして、カップから30cmまでの領域は、あまり踏みしめられることがないため高くなる。

つまり、カップ周辺にドーナツ状の窪みができてしまうわけだ。

こうなってしまうのは、ゴルファーの良心によるものだから責められない。カップ周辺を踏まないよう、他のプレーヤーへ配慮した結果なのだから。

 

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<2について>

これは、パットだけでなくショットも同じ。Dプレーン理論の記事を参照されたし。

【スイング探究】「新飛球法則・Dプレーン理論」を理解するのが上達への近道!
新飛球法則という名前がついていますので、最近のものと感じるかもしれませんが、Dプレーン理論は、今から20年ほど前の1999年には提唱されていたものです。Wikipediaによると、Dプレーンの"D"は"Describe(描写する、説明する)"を意味するとのこと。これは、Dプレーンを用いることで、どのような球筋となるかをうまく説明できることから名付けられたのでしょう。

 

<3について>

スィートスポットに当たらなければ、エネルギーをロスしてしまう。

もう一転がりに泣く人は、芯で捉えられていないことが原因なのかもしれない。

 

<4について>

両手が肩のラインの真下にあるとき、フェースはほどよく「オープン → スクエア → クローズ」となり、軌道はほどよく「イン → ストレート → イン」となる。

ヘッドの軌道は、手元が体に近くなるほど、イン・トゥ・インの軌道になりやすく、離れるほどストレートに近くなると覚えておこう。

 

<5について>

パームグリップが一番。フィンガーで握ると手首を使い過ぎてしまう恐れあり。

 

<6について>

ボールはほどよく勢いに乗っていなければならない。43㎝ほどカップをオーバーするくらいの勢いがベスト。

そのときが、<1>で述べたカップ周辺の微妙な凸凹の影響を最も受けづらくなる。

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最後に

現代の高精度分析機器を用いるのが、やはり上達への最短ルートかもしれないが、この本を読んで、アナログ的探究もまんざら悪くないなと感じることができた。

そう考えると、パッティングは感覚がものをいう世界でもあるわけだから、あまり最新機器にこだわる必要はないのかもしれないね。

とにかく、著者のあくなき探究心には脱帽だ。

 

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100冊以上読んで見つけた、おすすめのゴルフ本、厳選15冊!
"多読!ゴルフ本" コーナーを開設してからというもの、ゴルフ本を読み漁る日々。そしてついに、100冊読破達成することができました。毎日忙しい日々をお過ごしの皆様におかれましては、時間の無駄となるような読書は極力控えたいとお考えになっているはず。やはり、全ての本が当たりであってほしいと願うのが普通の人間でしょう。ということで今回は、役に立って面白い、100冊以上読んで見つけたおすすめのゴルフ本全15冊をご紹介させていただくことにしました。