新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【GiS的多読】イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち:澤宮 優

多読!ゴルフ本
世に無数に存在するゴルフ解説本を読み、独自の感想・見解を述べるページ。正直言って、現在出回っているゴルフ本のほとんどが、かねてより言い伝えられてきたことの焼き直しだろう。だが、一行でも、一言でも良いから、役に立つ情報を見つけたい。発見と気付きのための多読である。

本の概要

イップスとは、何かのきっかけで起こる運動障害である。

もともとがゴルフに由来する用語で、1930年代前後に活躍したプロゴルファーのトミー・アーマーが、この症状でパットが打てなくなり、引退を余儀なくされた。

名付け親はこの人、トミー・アーマー。1967年のことであった。

 

本書では、イップスに悩まされたプロ野球選手3名、プロゴルファー2名のエピソードが紹介されている。

  • 捕手にボールが届かない:元北海道日本ハムファイターズ投手 岩本勉
  • 一塁への送球がスライドしてしまう:元東京ヤクルトスワローズ 土橋勝征
  • ボールが指にひっかかる:元北海道日本ハムファイターズ外野手 森本稀哲
  • 自分の写真を見たことでパター不振に:プロゴルファー 佐藤信人
  • パターする腕に電気が走った:プロゴルファー 横田真一

 

上記の実例に加え、巻末にてイップスのメカニズムにも言及しているが、結局のところ、未だ原因は定かではないようだ。解決策もしかりである。

読後の感想

大事な場面での過度な緊張やプレッシャー、失敗すると怒られてしまうという恐怖心、そういったものがイップス発症の引き鉄として考えられるが、プロゴルファーの佐藤信人氏にいたっては、完璧主義者であることが引き鉄となってしまったのではないか、とのことであった。

 

佐藤信人プロの話は興味深い。

絶好調の最中、雑誌の取材でパッティングの撮影があったのだが、実際に撮られた自分の写真がイメージと違うことに愕然とし、そこから色々と修正を加えた挙句、イップスに陥ってしまったそう。

また、インパクトで沈み込む癖を持っており、それを真似されることも原因になったのではないかと自己分析されている。

誰でも美しいスイングやフォームにあこがれるもの。

しかし、それを追い求めるがあまり、調子を落としてしまえば本末転倒だ。

 

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ここで、一か月くらい前に読んだ「不合理だらけの日本のスポーツ界」という本の一節を紹介しておこう。

ある有名MLBのスカウトが、しなやかで一般的に美しいと思われるフォームでボールを投げ込むアメリカ人ピッチャーを見てこう呟いたらしい。

「日本人みたいな投げ方をしているな」

つまり、アメリカでは、少しくらい変で、癖のあるフォームのほうが魅力的。

それが個性だということだ。

 

ゴルフスイングは、原理的に間違いでなければそれでよいはず。

それを踏まえてもっと言えば、少々常人には理解しがたい、おかしなスイングであっても、プロであれば結果がすべて、オールOKとなるだろう。

現に、非常に個性的なスイングで有名なデシャンボーは、この記事を書いている現時点(2020.7.11)でDriving Distanceは、PGA Tour 第一位、TOP 10フィニッシュ回数も8回で堂々の第一位である。

 

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かつての賞金女王、森田理香子プロは「ミスを笑われた」ことがイップスの原因であると語っているが、彼女には今のデシャンボーのフィニッシュを見て欲しい。(再生一発目のドライバーショット)

Bryson DeChambeau shoots 7-under 65 | Round 4 | Rocket Mortgage Classic 2020

ほらね、まるで素人。

がむしゃらに飛ばすことしか考えていないように思える。

日本人がデシャンボーのようなフィニッシュを取ったら笑われるかもしれないが、アメリカ人からしたら立派な個性となる(多分)。

我が道を行くデシャンボー。

彼にはイップスになってほしくないし、より一層、この鈍感力を磨いてほしいと願っている。

最後に

イップスの発症は、どのような条件下で起こるのだろうか。

  • 過度な緊張やプレッシャーがかかる局面
  • 絶対にミスできない状況が、恐怖となって襲いかかってきたとき
  • 中途半端な力加減を強いられたとき
  • 静から動に移り変わる瞬間の動き

他にも色々あると思うが、このような場面に遭遇したとき、人は思いもかけずイップスに陥るのかもしれない。

 

ただ、一番やっかいなのは、原因は特定できたとしても、その対処策がなかなか見つからないことだ・・・と書いたところで、ふと思いついた。

 

本当にデシャンボーが鈍感力高めなのかはしらないけど、彼のように鈍感力を高めるか、もしくは彼のように体をゴリゴリに鍛えるといいかもしれない。

なぜなら、筋トレは最強のソリューションなのだから。

最後に、Testosterone氏の著書を紹介して、終わりにします。