本の概要
パットとアプローチに特化したショートゲームの秘訣を藤田プロが伝授してくれる。
パッティングを含めたグリーン周りの攻略本と言ったほうがしっくりくるかもしれない。
藤田プロは自分のことを感覚派だと言う。
パッティングの距離感合わせなどは、まさに感覚がものをいう世界。
藤田プロのような感覚派が得意とする分野であると言えるだろう。
頭の中でのイメージと実際の結果がなかなかリンクしない方、そういう方は、この本を通じて、藤田プロの頭の中を覗き見てみるのは如何だろうか。
読後の感想
ツアープロの書く本は興味深い。
小難しいことは抜きにして、ゴルフのコツや秘訣を伝授してもらう感覚で読むことができる。
ツアープロのパッティングデータ全てを集計して、客観的に「これが正しい」という何かを定義できたとしよう。
しかし、それはただの平均値的なデータであり、ほとんどの人にとっては「ふーん」と思うだけの、単なる数値としての価値しかない。
ここで、ひとつ例を挙げるとすれば、パッティングにおけるインパクトイメージ。
確か、吉田 洋一郎氏の “ロジカル・パッティング” という本では、「ヘッドは等速に動かし、アッパーブローで打つべし」と紹介されていた。
これは、膨大なデータの集積により導かれたものだと思うから、統計データとしては全くもって正しいのだろう。

しかし、藤田プロは本書の中で、「ヘッドは加速させながら、ダウンブローにインパクトする」と述べている。
どちらかと言えば、自分の感覚は藤田プロの感覚に近い。
しっかりとしたインパクトに、「等速でアッパーブロー」はどうしてもそぐわないのだ。
やっぱり、ここぞという時には自分の感覚に頼るしかない。
脳にAIを組み込んで、神経までをも制御できれば、別だと思うけど。
最後に
本書を読むのであれば、先述した吉田 洋一郎氏の “ロジカル・パッティング” も併せて読むと面白いかもしれない。
どちらか単独で読んでしまうと、迷路にはまり込む可能性がある。
プレーにおける感覚も大事だが、知識のバランス感覚も大事にしよう。