新コーナー「ゴルフメカ談議」オープン!

謎の一般ゴルフ研究家(通称パンゴル)が、ゴルフメカニクス/メカニズムについて会話形式でお送りする、ゴルフエンターテイメントです。

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【GiS的多読】ゴルフドライバー名人:平野 茂 著

多読!ゴルフ本
世に無数に存在するゴルフ解説本を読み、独自の感想・見解を述べるページ。正直言って、現在出回っているゴルフ本のほとんどが、かねてより言い伝えられてきたことの焼き直しだろう。だが、一行でも、一言でも良いから、役に立つ情報を見つけたい。発見と気付きのための多読である。

本の概要

「トルネードアドレス」にはじまり、「左手フリスビー」、「右手水切り」など、著者ならではの工夫でゴルフスイングのコツが説明されている。

その他、竹を15本並べたり、ハンガーや中華鍋を使ったり、三脚打法なるものも登場し、非常に賑やかな印象。

読者を飽きさせない工夫を凝らした本。

読後の所感

「ぽかーん」と開いた口が塞がらないとはこのことか。

ここまで思い込みと思いつきだけで書かれた本は読んだことがない。読み始めて数ページでもう本を閉じようと考えた。

もし、記事を書くという目的がなければ、最後まで目を通すことはなかっただろう。

 

「ゴルフドライバー名人」の著者は平野茂氏。ネットで調べたところ、れっきとしたPGAティーチングプロらしい。

氏のことは全く存じ上げていなかったが、Amazonレビューで調べてみると、”4.8″というなかなかの高評価であったため読むことにしたのだが。。。

 

著者は、ハンマー投げを例にとってゴルフスイングの解説を試みているが、ハンマー投げの理屈そのものが完全なる思い込みで語られているし、遠心力も正確に理解していないことが推察された。

体を回転させてハンマーを振り回しますが、最初はハンマーより手もとが先行して動き出します。徐々にハンマーに勢いがついてくると遠心力がかかってハンマーが先行し、その重みを体で支えながら回転します。

(ゴルフドライバー名人:P37より)

 

向心力の逆方向の力が遠心力。向心力とは言葉の通り、中心に向かう力のことだから、力は回転中心に向かうことになる。遠心力は、(本来見かけの力なのだが、いろいろ考えるとややこしいので) ここでは、向心力と釣り合うように作用する逆方向の力と覚えておこう。

つまり、何が言いたいかというと、遠心力は回転中心に向かう力だから、遠心力のおかげでハンマーが先行することはないってこと。

 

著者は、遠心力が回転力を生むものと考えているようであるが、これは正確ではない。

確かに、ハンマー投げでは、グリップがふにゃふにゃの状態であるため、手首の力を使ってハンマーを飛ばすことはできない。

そのため、競技者がハンマーに対して発揮できる力は向心力(≒遠心力)になるわけだが、ハンマーが加速するのは二重振り子の原理によってである。

この二重振り子の原理をものすご~く簡単に説明すれば、手もとがハンマーより先行することで、トルク(回転力)が発生するから、となる。(詳細は「【スイング探究】二重振り子スイングでぶっ飛ばせ!」)

 

つまり、上記引用文のようにハンマーが先行し、その重みを体で支えながら回転」してしまうようなハンマー投げはあり得ないのだ。

 

普通に考えて、体の回転よりハンマーが先行した状態で回転運動を維持することなどできるだろうか?

想像しただけでも、ハンマーが先行すると体のほうがハンマーに引っ張られた状態になるとわかるだろう。

 

これが読み始めて最初の数ページで出てきたもんだから、あとは字面を追うだけとなってしまった。

「トルネードアドレス」なるものが著者の売りらしいが、しかし、そのベースが間違ったハンマー投げの原理であれば、成立するはずがないだろう。

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発見!役立ちポイント

自分のスイングに役立ちそうなものは、残念ながら見つからなかった。

ただ「人の振り見て我が振り直せ」の精神で、自分の過去記事を修正するモチベーションにはなった。

最後に

Amazonの高評価につられて読むことにしたのだが、そもそも正当な評価だったのか?

7個のレビュー中、最初の4つは「Amazonで購入」の文字が付いてないし。