本の概要
「ダフれ!」「ボールを見るな!」「手打ちしろ!」そして「前倒し」など、これまでの常識とは反対の発想が展開される。
本書では、スイングを基本的な3つのパーツに分けて習得していき、最後に各パーツを組み合わせていく手法が取り上げられている。
基本動作は「S1」「S2」「S3」(Sはステップかステージの頭文字?)の3つのパートに分けられ、各パートの概要は以下のとおり。
- S1: 肩のターンだけで左右対称に振る動き(上半身の動き)
- S2: 足を使った横回転(下半身の動き)
- S3: 腕のみによる手打ち的な動作(腕の動き)
上記3つのステップをマスターしたあとに、例えば、「S3+S2」という感じでスイングを組み合わせていく。
尚、クォーター理論のクォーターとは4分の1を表す。
インパクト直前の4分の1の領域が重要ってことで、クォーター理論と名付けられたらしい。
読後の感想
「手打ち」と「前倒し」という言葉が独り歩きしている感のある「クォーター理論」。
「前倒し」っていったいなんのことだろうと思って、以前記事にしたことがあるが、この本でもう一度確認してみても、やっぱりシャフトを前に倒すことを意味していることがわかった。
うーむ。
自分は、前倒しするとスイング中抵抗になるだけだし、ひっかけるし、ろくなことにならないと思うんだけどね。
※ 前倒しせずに手打ちって話ならまだわかる。
その他気になったポイントは、S2の下半身の動きだ。
「足でターン:左回転は、足(膝を主体?)の動きだけで行い捻転差を保つ」とある。
捻転差を保つ点はすごく共感できたが、足でターンは、これやってみたらわかるけど、脚だけ空回りする危険性が高く、実はすごく難しい動きだと考えている。
「捻転差を保って、股関節を足を使ってターンさせる」という表現のほうが自分にはしっくりくるね。
そして、S2とS3を組み合わせてスイングを完成させるなど、パーツ組み合わせ系のスイング構築って相当難しいと思うのだけど。
体の回転(S2)をスライス要素と捉え、手打ち(S3)をフック要素と捉えてかけ合わせる。最後はタイミング勝負になるだろう。
スイングをパーツ分けして考えないほうが結局シンプルだと思うのは自分だけでしょうか?
取り急ぎ「手打ち」の概念が述べられているため、スライスに悩む人には役に立つだろう。
「クォーター理論」には、初級、中級、上級、アスリートの4つのレベルがあるらしく、本書はおそらく初級向けだ。
発見!役立ちポイント
「身体の空回りはムダ!右でブワーンと大きく振れ」
長尺ドライバーを使うコツとして書かれているのだけど、これって別に普通に意識しておくべきポイントではないだろうか。
ダウンで右に振って、背中で引っ張ってボディーターン(股関節ターン)が、自分の最近の流行り。
最後に
桑田プロは「常識を疑え」と言う。
自分がゴルフの常識を疑って真っ先に挙げたいのが「頭を動かすな」という教えだ。
「正しいスイングができれば、結果的に頭が動かないように見える」が正解だろうに。